トヨタ・レジアス

トヨタ レジアス（REGIUS）

トヨタ自動車が1990年代後半から2000年代初頭にかけて製造・販売していた、ハイエースをベースとするワンボックス型ミニバンがレジアスです。1995年に登場したグランビアを基本とし、全長と全幅を縮小した姉妹車として、取り回しの良さと上質な内装を両立していました。

ハイエースレジアス（1997年 - 1999年）

1997年4月8日、「ハイエース レジアス（HIACE REGIUS）」としてデビュー。5ナンバーサイズであり、グランビアよりも一回りコンパクトな車体が特徴です。ディーゼル車は一部モデルを除き5ナンバー登録でした。同年6月には、商用モデルである「ハイエースレジアスバン」も販売開始されました。

ワゴンの特徴として、メーカーオプションでフロントシート以外の全シートを脱着式に変更可能でした。これにより、ユーザーは自由にシートを外して商用車並みの荷室容積を確保することができました。内装の質感はグランビアを凌駕する点も多く、最上級グレードのG EXパッケージには、グランビアよりも高額なプライスタグが付けられました。これは、それまでのトヨタの最上級1BOXとしての役割を担っていたハイエースの実質的な後継車という位置づけだったためです。

スポーティーグレードとして「ウインドツアラー」も設定されました。標準グレードに比べて、メッシュグリルやエアロパーツで精悍さを演出し、内装も差別化されていました。

1997年8月には、特別仕様車「ウインドツアラー ホワイトバージョン」が発売。1998年5月には一部改良が行われ、レジアスGにガソリン2.7 L 4WD車が追加されたほか、デュアル（両側）スライドドアが新たに設定されました。レジアスにはオートエアコン、リアスポイラー、スライドドアイージークローザーなどが標準装備となりました。

レジアス（1999年 - 2002年）

1999年8月3日、グランビアと共にハイエースレジアスはマイナーチェンジを受け、「ハイエース」の名称が取れて『レジアス』（「レジアスワゴン」「レジアスバン」）となりました。レジアスワゴンのスポーティーグレード「ウインドツアラー」は、『ツーリングハイエース』としてトヨペット店でも販売されることになりました。

このマイナーチェンジでは、日産・エルグランドを意識した意匠が取り入れられ、フロントグリルが大型化され、ヘッドランプやリアコンビランプの形状が変更されました。バンパー形状も変更され、全幅を除いて全車3ナンバーサイズとなりました。また、2.7 Lガソリンエンジンへの電子制御ATの採用、3.0 Lディーゼルターボ車はインタークーラーの装着により出力が向上しました。

1999年10月には、トヨタモデリスタインターナショナルから豪華装備を加えたモデリスタバージョン「ハイルーフラウンジ」が発表されました。ベース車より175 mm嵩上げされたハイルーフを採用し、室内空間を拡充させたほか、樹脂製木目調パネルや上質な室内照明などが採用されました。

2000年には、特別仕様車「V プレミアムエディション」が追加されました。VLパッケージをベースに、ブロンズガラスや専用ストライプ、本革＆木目調ステアリングホイールなどが特別装備されました。また、福祉車両「ウェルキャブ」シリーズも一部改良され、サイドリフトアップシート車に全自動タイプが新設定されました。

2002年3月末に姉妹車種のツーリングハイエースと共に生産を終了し、同年5月21日に販売終了となりました。

エンジン

搭載エンジンは直列4気筒のみで、ワゴンのガソリンは2.7L 直列4気筒 DOHCの3RZ-FE型、ディーゼルは3.0L OHC ターボ付きの1KZ-TE型でした。バンは、ガソリンが2.0Lの1RZ型、ディーゼルが3.0Lの5L型でした。

車名の由来

車名の「レジアス」はラテン語で「華麗な」、「すばらしい」という意味であり、スタイリッシュなボディと、華麗な走りをイメージして名づけられました。

もう一度検索