トヨタ・ヴァンガード

ヴァンガード（VANGUARD）

ヴァンガードは、トヨタ自動車によって製造・販売されたクロスオーバーSUVです。このモデルは「アクティブ＆ラグジュアリー」というコンセプトのもと開発され、高級感を持ちながら実用性も兼ね備えた車種として位置づけられています。従来型の豪華さをただ装飾するのではなく、質や機能、そして装備において高級感を強調しているのが特長です。

概要

ヴァンガードは2007年8月30日に発売されました。開発時には、優れた走行性能と内外装スタイルの融合を目指し、特に日本国外向けのRAV4（3代目）をロングボディにした仕様が基盤となっています。このモデルは日本国内向けのRAV4にはない3列7人乗りを選べる点や、V6 3.5Lエンジンを搭載可能な点が大きな特徴です。

販売はトヨペット店とカローラ店の2系列で行われ、クルーガーの後継車として位置づけられることになりました。全長は4,570mmと比較的コンパクトで、同じく3列7人乗りを設定している三菱の初代アウトランダー（全長4,640mm）よりも短い設計となっています。室内長も2,445mmと、他のミニバンと比べてかなりの短さであるため、3列目シートは非常用と見なされることが一般的でした。

背面スペアタイヤはオプションであり、未装着の場合はパンク修理用のキットが車両に搭載されます。この修理キットはシガーライターソケットを使用したエアコンプレッサーと修理剤が含まれており、使用後は最高速度が80km/hに制限されます。2012年にはV6エンジンの設定が終了し、その後は2.4Lエンジンのみの販売に移行しましたが、2013年の11月末には販売が完全に終了しました。

メカニズム

エンジンは2種類が選べ、2.4Lの直列4気筒エンジン（2AZ-FE型）と3.5LのV型6気筒エンジン（2GR-FE型）が用意されていました。新MCプラットフォームが採用され、トランスミッションには2.4Lモデルには7速マニュアルモード付CVT（SuperCVT-i）、3.5Lモデルには5速オートマチックが設定されています。また、ハイブリッドモデルは用意されておらず、サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式が使われています。最初は4WDのみの設定でしたが、2008年からは2.4LモデルにFFが追加されました。4WDモデルには特に、電子制御によるトルクの配分システムが標準装備されており、走行安定性が高められていました。

初代 XA33W/38W型（2007年-2013年）

ヴァンガードは2007年8月30日に販売が開始され、キャッチフレーズは「TOUGH＆GENTLE 7 SEATER」とし、CMには俳優の伊原剛志が起用されていました。一部改良を経て2008年には新しい内装色やボディカラーの追加が行われ、さらに2010年にはマイナーチェンジを実施し、燃費向上とデザインの改善が図られました。

2013年10月に生産は終了し、11月30日には販売も終了しました。これに伴い、トヨペット店でのSUV販売は一時的に途絶え、カローラ店における新たなSUV車はC-HRが発売されるまでなかったのです。

売り上げ

ヴァンガードは発売当初から好調で、月販目標の3倍以上にあたる8,000台を受注することに成功しました。特に2008年11月以降はハリアーの販売終了により、販売台数は伸び続け、トヨタのSUVラインナップで18か月連続で最高の登録台数を記録しました。

車名の由来

「ヴァンガード」という名称は英語で「先駆者」を意味し、先進的なデザインと機能を持つ仕様を反映しています。

取り扱いディーラー

• - トヨペット店
• - カローラ店

ヴァンガードは、単なる高級SUVではなく、トヨタの技術とデザインが詰まった実用的で洗練された一台であったと言えます。

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