トヨタ・2000GT

トヨタ2000GTの概要

トヨタ2000GTは、1967年から1970年まで生産されたトヨタ自動車とヤマハ発動機の共同開発によるスポーツカーです。現代のスポーツカーの原型ともなったこのモデルは、当時の技術を駆使して作られた高性能車であり、「国産のスーパーカー」としても名を馳せています。ストレートなパワーと美しいデザインが魅力であり、現存するモデルは中古車市場で高額取引されることがよくあります。

先進的な装備

2000GTはDOHCエンジンの採用、5段フルシンクロメッシュ トランスミッション、4輪ディスクブレーキ、ラック・アンド・ピニオン式ステアリングなどの先進装備が搭載されています。これらは1960年代当時において非常に革新的な技術であり、その後、多くの量産車に受け継がれました。

その存在意義

トヨタのスポーツカーはこの2000GTによって本格的に始まりました。それまでトヨタには力強いスポーツモデルが存在せず、1960年代前半に日産や本田が市場に受けるスポーツカーを投入している中、トヨタは自社のイメージを高めるために、この高性能モデルの開発に乗り出しました。

開発の背景

トヨタはもともと、関東自動車工業に生産を委託する計画でしたが、当初の高性能スポーツカーを作るために、ヤマハと手を組むことになります。1964年に技術提携を結び、共同で開発が進められました。開発陣には多くの専門技術者が関わり、約11カ月後には試作車が完成しました。

生産と販売

実際の生産はヤマハが担当しました。生産にあたり、トヨタの品質基準に従って厳密なチェックが行われ、品質を保ちながら製造されています。生産台数は337台にとどまり、1970年に生産を終了しました。

オークションでの高値

2000GTは現在、クラシックカーとして高額なプレミアム価格がつくことが多く、オークションでは115万ドル（約1億1,800万円）という販売価格が記録されたこともあります。これは国産車としての最高落札金額です。

マイナーチェンジとモデル展開

1969年に一部改良が行われ、デザインや装備の変更が加えられた後期型が登場しました。また、廉価版として2,300 ccエンジンを搭載したモデルも試作されたものの、市販には至りませんでした。

レースでの活躍

2000GTは一般道での使用のみならず、耐久レースでも強さを見せました。日本国内の鈴鹿1000kmレースでは優勝を飾り、その名を広めました。

映画『007は二度死ぬ』

映画『007は二度死ぬ』では、ボンドカーとしてオープンカー仕様も製作され、世界的にその名が知られることになりました。

今も愛される2000GT

その美しいデザインと先進的な技術が魅了する2000GTは、トヨタのスポーツカーの中でも特に特別な存在として、今なお多くの自動車ファンに愛されています。製造から50年を経た今でも、その魅力は色褪せることがありません。2021年時点でのトヨタ博物館などで見ることができ、多くのコレクションカー愛好者がこの名車の復元やレストアに挑む姿も散見されます。

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