トヨタ・B型エンジン (初代)

トヨタ・B型エンジンの概要

トヨタ・B型エンジンはトヨタ自動車が開発した水冷直列6気筒のガソリンエンジンであり、同社にとって初の量産エンジンであるトヨタ・A型エンジンに続く重要な製品です。このエンジンは1938年11月に登場し、日本のメトリック法に基づいた設計が施されています。特に、アメリカのシボレー製6気筒エンジンから多くの基本構造が引き継がれ、クランクシャフトのメインベアリング数を4箇所に増やすことで強化が行われ、全体的な性能が向上しています。

戦時体制下の量産と活用

B型エンジンは、戦時中に量産体制を整えたことにより、特に大型トラックやバス、四輪駆動車であるBJ型ランドクルーザー、さらには消防車やパトロールカーなど多岐にわたる車両に搭載されました。この時期、エンジンは日本の重要な輸送手段として、その存在感を発揮しました。特に、戦後の1950年代には、トヨタの商用車ラインナップに欠かせない存在となり、多くのモデルに搭載され続けました。

様々な車両に採用されたB型エンジン

B型エンジンは、その特性から数多くの車両に採用されました。例えば、1938年12月には初のトラックであるトヨタ・GB型に搭載され、以降も多くのバスシャーシやトラックモデルに使用されました。具体的には、1942年に登場したトヨタ・KB型トラックや1943年11月に発表されたトヨタ・KC型トラックなど、次々と新たなモデルにB型エンジンが搭載されました。

1949年には、BM型トラックに続いてBS型トラックが登場し、BM型のショートホイールベース版としてトレーラーを牽引するために設計されるなど、用途は多岐にわたります。また、1949年5月に登場したトヨタ・BL型バスシャーシは、戦後初の新設計バスシャーシであり、B型エンジンの特性を活かしたモデルでした。

進化と影響

B型エンジンの設計は、その後のトヨタのエンジン開発に大きな影響を与えました。1951年8月に登場した戦後初の新設計トラックシャーシであるトヨタ・BX型トラックは、B型エンジンを基にした設計がなされ、結果としてトヨタのトラックラインナップ全体にその基本設計が受け継がれることとなりました。

また、1953年にはBJ型四輪駆動車、現在のランドクルーザーの原型ともいえるモデルにもB型エンジンが搭載され、これによりトヨタ車は更なる市場拡大を迎えました。さらに、パトカー専用車のトヨタ・パトロールBH型や救急車型など、多彩なボディスタイルに対応する柔軟性も特徴です。

まとめ

トヨタ・B型エンジンは、その登場から数十年の間に多くの車両に搭載され、日本の自動車史において重要な役割を果たしました。水冷直列6気筒のこのエンジンは、戦後のトヨタの発展を支える基盤となり、後のエンジン開発にもつながっていったのです。

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