トヨタ・GRカローラ

GRカローラの概要

GRカローラ（GR COROLLA）は、トヨタ自動車が手掛けるハッチバック型のスポーツカーであり、「GAZOO Racing カンパニー」が開発したモデルです。この車は、トヨタの「GR」シリーズの一環として、2019年に登場した「GRスープラ」、2020年の「GRヤリス」、2021年の「GR86」に続く4車種目となります。カローラスポーツをベースにした設計でありながら、独自の性能向上が図られています。

2022年4月1日にアメリカのカリフォルニア州でプロトタイプが発表され、その後日本市場向けの詳細が同年6月1日に公開されました。最初の発売では「モリゾウエディション」が限定販売される予定でしたが、新型コロナウイルスや半導体の不足により、両モデルとも抽選形式となりました。

日本仕様のグレード構成

GRカローラRZ

GRカローラの通常モデルであるRZは、5人乗り仕様で、初回生産分は500台がインターネット抽選で販売されます。販売価格は税込525万円で、2022年12月に受け付けられた抽選で選ばれたオーナーが2023年1月に商談を始める形が取られました。2023年8月23日には一部改良が行われ、ボディ剛性が向上し、新色が追加されるなどの変更が加えられました。さらに、販売台数も増加する可能性があり、550台が予定されています。

GRカローラ モリゾウエディション

モリゾウエディションは、2023年12月2日から70台の限定モデルとして発売されます。このモデルは、リアシートを撤去して乗車定員を2名にし、約30kgの軽量化を達成しています。加速性能も向上しており、ボディ剛性を強化するために追加のブレースが取り付けられています。さらに、特別仕様のタイヤやバケットシートが装備され、よりスポーティな走行が実現されています。

メカニズムと性能

GRカローラは、カローラスポーツをベースにしつつも、ロングホイールベースによって走行安定性を確保し、トレッド幅を増やすことで高速旋回性能も向上しています。搭載されるスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」は、電子的に駆動力を調整可能で、異なる走行モードに応じたフィーリングを提供します。これにより、ドライバーは自らの好みに合わせた運転が可能になります。

エンジン性能

GRカローラには、1.6Lの直列3気筒インタークーラーターボエンジンが搭載されています。最高出力は224kW（約304PS）に達し、強化された排気系やピストン材質の変更により高出力化が実現されています。開発中には、モリゾウ（豊田章男）社長からの「野性味が足りない」という指摘を受け、様々な改良が施されています。

モータースポーツへの取り組み

GRカローラは、モータースポーツにも力を入れており、2022年からスーパー耐久にカローラスポーツを基にしたモデルが参戦しています。空力性能や車重も改善されており、実際のレースでは前年よりも速いタイムを記録しています。さらに、ドリフト競技においては、特別なモデルがデビューウィンを飾っています。

まとめ

GRカローラは、高性能とスポーティなデザインに優れたハッチバック型のスポーツカーです。GRシリーズの充実度をさらに高めており、古典的なカローラのブランドイメージを新たな次元へと引き上げています。高剛性のボディや改善されたエンジン性能、モータースポーツでの実績が示すように、運転の楽しさと性能の両立を実現した一台です。

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