トライアングル・プレイス

トライアングル・プレイス

『トライアングル・プレイス』は、漫画家わかつきめぐみ氏によって描かれた短編漫画作品です。1984年に『LaLa』（白泉社）で発表され、同作品を表題作とする短編集が、花とゆめコミックスから1986年に刊行されました。

概要

本作は、人間と人工知能の関係を主要なテーマとして扱っており、作者の初期の代表作として知られています。ストーリーや絵柄には、漫画家・かがみあきら氏からの影響が色濃く見られます。作者自身も、かがみあきら氏の短編作品「聞かせてよ愛の言葉を」が本作に大きな影響を与えたと語っています。

また、本作に登場する人物たちの前日譚を描いた短編「2.5D」が、1986年の『LaLa特別編集Short Stories』SUMMER号に掲載されています。

あらすじ

物語は、近未来を舞台に展開されます。技術者の戸川隆行は、最愛の妻であり同じく技術者であった真希を、不慮の爆発事故で失ってしまいます。深い悲しみに暮れる隆行は、真希が自宅に残した立体映像の人工知能「みゆ」のプログラムを書き換え、「真希」の姿にすることで、心の隙間を埋めようとします。

友人夫婦である弓弦と久美子は、隆行の身を案じますが、「真希」は隆行の想像を超えた現象を引き起こし始めます。

主な登場人物

戸川隆行:
本作の主人公。技術者であり、コンピュータを趣味としていますが、「コンピュータは単なる機械に過ぎない」という考えを持っています。妻・真希を失った喪失感を埋めるため、「みゆ」を「真希」に書き換えます。
戸川真希:
隆行の妻。勤務先の津山化学での爆発事故により亡くなります。大学時代に隆行と出会い、コンピュータという共通の趣味を通じて親密になります。コンピュータが人間性を持つ可能性を信じ、友人として人工知能「みゆ」を開発しました。
弓弦・久美子夫妻:
隆行と真希の学生時代からの友人。夫の弓弦は隆行と同じ職場で働く技術者です。大学時代に隆行と真希を引き合わせたのが弓弦です。真希を亡くした隆行の行動を心配しています。短編「2.5D」では、学生時代の弓弦と久美子の出会いが描かれています。
みゆ:
真希が自宅で開発した人工知能。「みゆ」と呼びかけると、少女の姿をした立体映像として現れ、人間とコミュニケーションをとることができます。真希を失った隆行によってプログラムを書き換えられ、「真希」の姿に変えられてしまいます。

単行本収録作品

表題作を含む、1986年までに発表された作者の短編9作品が収録されています。

HOME SWEET HOME (LaLaスペシャルWendy1985年夏の号)
トライアングル・プレイス (LaLa1984年8月号)
ぼくのとなり (LaLa1986年5月号)
two-day (LaLa1986年6月号)
いきなりエスケープ (LaLa1984年6月号)
return (LaLaDELUXE1985年3号)
そして天然色の風 (第37回ララまんがスクールトップ賞受賞作、LaLa1982年2月号)
招かれざる客 part1 (1982年10月同人誌『T2ファージ』ゲスト執筆)
* 招かれざる客 part2 (1983年10月同人誌『四次元みみず』ゲスト執筆)

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