トラック野郎・男一匹桃次郎

トラック野郎・男一匹桃次郎

『トラック野郎・男一匹桃次郎』は、1977年12月24日に公開された日本映画で、菅原文太が主演を務めた作品です。東映が製作・配給を手掛け、トラック野郎シリーズの第6作目として、多くの観客を魅了しました。配給収入は12億1800万円に達し、1978年の邦画配給収入ランキングでも5位を記録しました。

ストーリーの概要

物語は早朝の砂浜から始まります。一番星号の星桃次郎（菅原文太）と、ジョナサン号の松下金造（愛川欽也）が目を覚まし、それぞれ異なる朝食を楽しんで出発します。途中、熊本を訪れた二人は、運転中に一升瓶に小用を足したり、ランニング中の女子生徒に缶ジュースを投げて応援したりと、ユーモラスなやり取りが続きます。

その後、青果市場での出来事が展開し、花電車こと花山電吉（左とん平）を成り行きで匿うことになります。この出会いがきっかけとなり、彼らは追っ手に絡まる大立ち回りを繰り広げます。その中で桃次郎は、一番星の飾りを持っていかれてしまう事件に見舞われます。

桃次郎は花山のお礼として、ドライブイン「唐津乙女」に招待され、そこでフグ料理を楽しむも、運悪く食あたりを起こし、解毒のために奇妙な儀式を受けることに。ここで彼は、美しい女子大生・小早川雅子（夏目雅子）に出会い、一目惚れします。雅子が剣道3段との噂を聞いた桃次郎は、彼女に認めてもらおうと道場破りに挑むも、惨敗してしまいます。

再び挑戦するために山籠りをする桃次郎ですが、流れの中で彼は袴田太一（若山富三郎）に助けられ、息子・隼人が飾りを持っていたことを知ります。この関係は桃次郎の誇りと恋心を揺さぶりますが、厳しい道のりが続きます。

家族の絆

桃次郎と雅子はそれぞれの困難を乗り越えていきますが、松下家には問題が待ち受けていました。ジョナサンがスナック「寄生木」に通いつめており、妻の君江（春川ますみ）との関係が危うくなります。桃次郎と和代の協力で家族の絆を取り戻し、松下家は元の仲睦まじさを取り戻します。

その後、桃次郎たちは九州の観光を楽しみますが、再度のトラブルが発生。餅すすり大会での勝利を収めた桃次郎ですが、持ち逃げされた賞金奪還のために苦労します。免停にされるトラブルもありましたが、桃次郎は諦めずに前に進み続けます。

物語は、雅子との未来を描いて進展していく中で、様々な人間ドラマが交錯します。彼女にはブラジルに行く約束の先輩がいることが発覚しますが、桃次郎は彼女を手放さず、再び彼女とともに未来の夢を追います。

最終的にはそれぞれが選ぶ道に向かい、桃次郎はトラック仲間たちの支援を受けつつ、雅子をブラジル行きの空港へと導くため、阻まれた道のりを切り抜けていきます。

まとめ

『トラック野郎・男一匹桃次郎』は、トラック業界の仲間たちとの絆や、愛する人を守るための奮闘を描いた作品です。菅原文太や愛川欽也など豪華キャストの演技や、コミカルで感動的なストーリーが魅力です。本作は、日本映画の金字塔とも言えるシリーズの中でも特に人気を誇り、観客の心を掴む力を持っていました。

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