トラップ (2024年の映画)

『トラップ』

『トラップ』（原題：Trap）は、2024年に公開されたアメリカ合衆国のサスペンス映画です。予測不能な展開で知られるM・ナイト・シャマランが脚本、監督、そして共同製作を手掛けた本作は、「罠」を意味する原題の通り、張り巡らされた巧妙な仕掛けの中で繰り広げられる人間ドラマを描いています。

物語の舞台は、カリスマ的人気を誇る音楽アーティストのライブ会場。多数の観客で賑わうその中に、実は世間を騒がせる指名手配中の連続殺人犯が紛れ込んでいます。その存在を察知し、会場全体に捜査網を敷く警察。物語は、会場に閉じ込められた殺人犯と、彼を逮捕しようとする警察との間の、息詰まるような心理的な攻防を中心に展開していきます。観客は、ライブの熱狂と、その裏で進行する危険な「罠」の二重構造に引き込まれていきます。

主要キャストとして、犯人と思しき人物を演じるのはジョシュ・ハートネット（日本語吹替：小野大輔）です。彼の娘役であるライリー・アボットをアリエル・ドナヒュー（朝井彩加）が演じます。ライブの中心人物である音楽アーティスト、レディ・レイヴン役には、監督の娘であるサレカ・ナイト・シャマラン（山村響）が抜擢されました。その他、アリソン・ピル（加藤有生子）、ヘイリー・ミルズ（大西多摩恵）、ジョセフ・ラングドン、スコット・メスカディが出演しており、M・ナイト・シャマラン監督自身もカメオ出演しています。

本作は、2024年7月24日にニューヨーク市マンハッタンのアリス・タリー・ホールで初めて披露されました。その後、米国ではワーナー・ブラザース・ピクチャーズの配給により8月2日に劇場公開され、初日には661万米ドル、公開初週末には1,545万米ドルを稼ぎ出し、その週の興行収入ランキングで3位を記録しました。10月までの累計興行収入は、米国内で4,277万米ドル、海外市場で3,990万米ドルを記録し、全世界合計で8,267万米ドルに達しています。

日本国内では、ワーナー ブラザース ジャパンの配給により10月25日に公開されました。また、劇場公開後も様々なメディアで展開されており、8月30日からはビデオ・オン・デマンドでの配信が開始されています。さらに、11月5日にはUltra HD Blu-ray、Blu-ray Disc、DVDといったパッケージソフトの販売も予定されており、自宅でも作品を楽しめるようになります。

『トラップ』は、M・ナイト・シャマラン特有の緊張感あふれる演出と、予期せぬ展開が織り交ぜられた、新感覚のサスペンススリラーと言えるでしょう。音楽ライブという非日常的な空間が、予測不能な事件の舞台となる設定が、観客に新鮮な驚きと興奮をもたらします。

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