Ultra HD Blu-ray

Ultra HD Blu-ray（ウルトラ エイチディー ブルーレイ）

Ultra HD Blu-ray（UHD BD）は、Blu-ray Discの次世代規格として登場しました。これまでのBlu-ray Discの特長を引き継ぎつつ、映像体験をさらに向上させるために設計されています。この新しい光ディスク規格は、特に4K Ultra HD（2160p - 3840×2160 60fps）をサポートすることを強く謳っています。その為、従来のHD映像ではなく、より高解像度の映像表現が可能です。

規格と特徴

ハードウェア

UHD BDは物理的にはBD-ROM Version 2.0に基づいており、Blu-ray Discと同じく第3世代光ディスクに分類されますが、大容量でのデータ記録が実現されています。通常のBD-ROMが25GB×1-2層で構成されるのに対し、UHD BDは25GB×2層、33GB×2-3層という選択肢が用意されており、より多くのデータを収容可能です。しかし、これまでのBlu-rayとの互換性はありません。

記録方式

UHD BDは、ビデオフォーマットとしてH.265（HEVC）を使用し、さらにハイダイナミックレンジ（HDR）に対応することが特徴です。ただし、4K UHDやHDRが必須ではなく、2K（HDTV）や標準ダイナミックレンジ（SDR）も選択できる柔軟性があります。この場合も、従来のBlu-rayとの互換性はありません。

著作権保護技術

著作権保護のためのDRMは、UHD BDではAACS 2.0に基づき更新され、安全性が強化されています。さらに、UHD BDはリージョンコードが廃止されているため、地域による制約なしに利用可能です。

CMP Export

UHD BDは、CMP Exportという技術をサポートします。これにより、BDに記録された映像や関連情報を他のメディアに安全にコピーが可能です。

サポート環境

UHD BDを視聴するには、対応機器が必要です。最新のUHD BD機器に接続されたディスプレイが4K UHDやHDRをサポートしていない場合、自動的に解像度が2KやSDRにダウンコンバートされます。ただし、一部の古いBlu-ray機器と3D映像の互換性は限られることがあります。

用途

Ultra HD Blu-rayは、ホームシアターでの高画質な映像体験を重視した規格です。2017年には数百種類のソフトがリリースされ、映像フォーマットとしての人気を博しています。

発売とデバイス

主なデバイスの中では、2015年にパナソニックが世界初のUltra HD Blu-rayレコーダー「DMR-UBZ1」を発表しました。続いて、同社は再生専用プレーヤーの「DMP-UB900」や「DMP-UB90」をリリースし、ソニーも「UBP-X800」を発売しました。

また、家庭用ゲーム機でもマイクロソフトの「Xbox One S」や「Xbox Series X」、ソニーの「PlayStation 5」が対応ドライブを搭載しています。これにより、ゲームと映像の両方を高画質で楽しむことが可能になりました。

沿革

Ultra HD Blu-rayの規格は2015年に策定され、同年11月には初の対応デバイスが登場しました。以降、徐々に対応ソフトやデバイスが増え、現代の映像エンターテイメントに欠かせない要素となっています。さらに、2020年に発売されたPlayStation 5により、さらなる普及が期待されています。

このように、Ultra HD Blu-rayは高解像度映像体験を提供する重要な光ディスク規格として、今後の映像産業に大きな影響を与える存在であると言えるでしょう。

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