トラブル IN ベガス

『トラブル IN ベガス』（原題：Elvis Has Left the Building）は、2004年に公開されたアメリカのコメディ映画です。この作品は、エルヴィス・プレスリーのそっくりさんたちが次々と不慮の死を遂げてしまうという、一風変わった設定が特徴です。

物語の中心となるのは、ピンクのスーツに身を包み、ピンクのキャデラックを乗り回す凄腕のセールスレディ、ハーモニー・ジョーンズ。彼女はピンクレディ化粧品の素晴らしさを広めるため、全米各地を飛び回っています。ある日、いつものように講演会へ向かう途中、彼女はエルヴィスのコスプレをした人々が、次々と目の前で不慮の死を遂げるという奇妙な出来事に遭遇します。

これらの事故は、まるでハーモニーがエルヴィスに扮した人々を呪っているかのようです。彼女は犯人に間違われることを恐れて逃げ出しますが、その最中に、彼女の愛車に目を留めた男性、マイルス・テイラーと出会います。ハーモニーはマイルスに運命を感じるものの、彼がエルヴィスのコスプレ衣装を持っていることを知ってしまい、再び逃げ出してしまいます。

しかし、マイルスはハーモニーに一目惚れをしており、彼女を追いかけます。さらに、ハーモニーは一連の怪死事件の重要参考人としてFBIからも追われる身となってしまいます。物語は、ハーモニーとマイルスの恋の行方、そしてエルヴィスの扮装をした人々の謎の死の真相を巡り、スピーディーでコミカルな展開を見せます。

この映画のタイトル「エルヴィスは建物を出た（Elvis has left the building）」とは、元々コンサート終了後も会場を去らない観客に対して「もう帰ってほしい」という意味で使われた言葉です。それが転じて、「楽しい時間は終わった」というようなニュアンスで英語の慣用句として使われるようになりました。

映画では、ハーモニー・ジョーンズをキム・ベイシンガーが、マイルス・テイラーをジョン・コーベットが演じています。その他にも、アニー・ポッツ、ショーン・アスティン、マイク・スター、フィル・ルイス、アンジー・ディキンソン、デニス・リチャーズなど、個性豊かな俳優たちが脇を固めています。また、トム・ハンクスがカメオ出演しているのも見どころの一つです。日本語吹替版では、高島雅羅がキム・ベイシンガーの声を、安井邦彦がジョン・コーベットの声を担当しています。

監督はジョエル・ズウィックが務めました。彼は、この映画でユーモラスで軽快なタッチで物語を描いています。この映画は、予測不能な展開と、コミカルなキャラクターたちが織りなすラブコメディとして、観客を楽しませてくれます。

キャスト

ハーモニー・ジョーンズ：キム・ベイシンガー（高島雅羅）
マイルス・テイラー：ジョン・コーベット（安井邦彦）
シャール：アニー・ポッツ（田村聖子）
アーロン：ショーン・アスティン（遠藤純一）
サル：マイク・スター（島香裕）
チャーリー：フィル・ルイス（高木渉）
ボベット：アンジー・ディキンソン（久保田民絵）
ベリンダ：デニス・リチャーズ（木川絵理子）
ダーレン：フィリップ・チャールズ・マッケンジー（佐藤祐四）
燃えるエルヴィス：リチャード・カインド
口紅脳天直撃エルヴィス：デヴィッド・レイジャー
メイルボックスエルヴィス：トム・ハンクス（カメオ出演）
看板下敷きエルヴィス：ジョエル・ズウィック
ビリー・レイ・サイラス（クレジットなし）


この映画は、エルヴィス・プレスリーというアイコンをコミカルに扱いながら、予測不能な展開で観客を飽きさせない、エンターテイメント性の高い作品です。ラブコメディが好きな方、一風変わった設定の映画を観たい方におすすめです。

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