トラム・イズミル

トルコ・イズミルの路面電車：トラム・イズミル

イズミル、トルコ第三の都市は、近年、公共交通機関の近代化に力を入れています。その象徴的な存在が、トラム・イズミルです。2017年に営業運転を開始した路面電車（ライトレール）は、地下鉄や通勤鉄道と共に、イズミル都市圏自治体が所有し、イズミル・メトロが運営する都市の重要な交通インフラとなっています。

計画から開業へ

2000年代、イズミルの都市交通計画では、輸送力に優れた鉄道整備が重視されました。その計画に基づき、2009年に路面電車の建設が決定。当初は2011年完成を目指していましたが、実際にはその後着工し、2017年4月11日、全長8.8kmのカルシュヤカ線（T1号線）が最初に開業しました。続く2018年7月2日には、全長12.5kmのコナック線（T2号線）が開通。これにより、イズミルの公共交通網は大きく向上し、2018年11月時点での利用客数は2100万人を突破しました。さらに、2024年1月27日には、コナック線とイズバンに接続するチグリ線（T3号線）が開通、カティプ・セレビ大学へのアクセスも向上しました。

車両の特徴

トラム・イズミルで使用されている車両は、韓国の現代ロテムが設計し、現代グループとトルコ企業の合資企業であるユーロテムが製造した5車体連接式の超低床電車です。床上高はわずか350mmで、全長32m、重量43.1t、設計最高速度は70km/h、最大定員は285名と大容量。車体や部品の大部分はトルコ国内で生産され、車体のデザインはイズミルの歴史と未来を融合したテーマが反映されています。また、特徴的なのはリチウムイオン充電池を搭載している点。架線がない区間や停電時にも最大50km走行できるため、運行の安定性に貢献しています。2014年の製造契約締結後、2015年から2017年にかけて38両が製造され、2023年現在運行されています。

未来への拡張

イズミル都市圏自治体は、輸送力増強のため、今後26両の車両増備を計画しています。2024年には製造企業の入札が行われ、その車両には、60%以上のトルコ製部品の使用が義務付けられています。これは、トルコの産業振興にも寄与する計画です。

トラム・イズミルの発展は、イズミルの都市交通の進化を象徴し、今後も市民生活に欠かせない存在として、その役割を担い続けるでしょう。今後の路線拡張計画や車両増備により、さらに利便性の高い公共交通システムとして、イズミルの発展に大きく貢献していくことが期待されます。

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