トリニダード (軽巡洋艦)

イギリス海軍 軽巡洋艦 トリニダード (HMS Trinidad, 46)

トリニダードは、イギリス海軍が建造したフィジー級軽巡洋艦の一隻です。その艦歴は、第二次世界大戦の激動期と深く結びついており、短いながらも数々の重要な任務に就きました。

艦歴

1938年4月21日、トリニダードはデヴォンポート造船所にて起工されました。その後、1940年3月21日に進水し、1941年10月14日に竣工しました。竣工後、トリニダードはイギリス本国艦隊に配属され、その艦隊の一員として活動を開始します。



1942年1月、トリニダードはPQ8船団およびQP6船団の護衛任務に従事しました。この任務は、ソ連への重要な軍需物資輸送を支援するためのものでした。同年3月22日、トリニダードはPQ13船団の護衛のため、アイスランドのSeidisfiordから出撃しました。3月29日、バレンツ海において、ドイツ駆逐艦「Z24」、「Z25」、「Z26」との間で激しい海戦が発生しました。



この海戦で、トリニダードは果敢に反撃し、ドイツ駆逐艦2隻に損害を与える戦果を上げました。しかし、戦闘中にトリニダードがZ26に向けて発射した3本の魚雷のうち1本が、故障により旋回して自艦に命中するという不運に見舞われました。この事故により、トリニダードは深刻な損傷を受け、応急修理のため、3月30日に目的地のムルマンスクに到着しました。



応急修理を終えたトリニダードは、1942年5月13日、駆逐艦「ソマリ」、「マッチレス」、「フォアサイト」、「フォレスター」に護衛され、本国へ向けてムルマンスクを出航しました。しかし、その帰路は困難を極めました。5月14日、バレンツ海でドイツ軍機の激しい空襲に遭遇し、トリニダードは被弾、火災が発生しました。



トリニダードの乗組員は必死の消火活動を行いましたが、火災は手の付けられない状態にまで拡大してしまいました。その結果、5月15日、トリニダードは自力航行が不可能となり、これ以上の損害を防ぐため、同行していた駆逐艦「マッチレス」から魚雷3本が打ち込まれ、海没処分という悲劇的な最期を迎えました。トリニダードの短い生涯は、戦時中の厳しい現実を物語っています。

関連項目

第二次世界大戦中のイギリス海軍の喪失艦一覧

外部リンク

WWII cruisers
* HMS Trinidad at Uboat.net

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