トリニダード・トバゴ・ドル

トリニダード・トバゴ・ドル

トリニダード・トバゴ・ドルは、カリブ海に位置する島国、トリニダード・トバゴの通貨として使用されています。補助単位はセントで、1ドルは100セントに相当します。この通貨は、トリニダード・トバゴの経済を支える重要な役割を担っています。

歴史

トリニダード・トバゴを含む東カリブ海地域では、かつてスペイン・ドル（後にメキシコ・ドル）が広く流通しており、銀本位制が採用されていました。1821年にイギリスが金本位制を導入した後、1838年には東カリブ海地域も金本位制に組み込まれましたが、メキシコ・ドルは引き続き流通していました。1873年の国際的な銀価格の危機は、西インド諸島における銀本位制時代の終焉を招き、1879年にはトリニダード島とトバゴ島でイギリス・ポンドが導入されました。この時、1ドルは4シリング2ペンスのレートで交換されました。

1949年には英領西インド諸島ドルが導入されましたが、1964年のトリニダード・トバゴ独立を機に、トリニダード・トバゴは東カリブ・ドルと同等の価値を持つ独自の通貨を導入することを決定しました。その後、1976年には東カリブ・ドルとの互換性も廃止され、トリニダード・トバゴ・ドルは独自の通貨としての道を歩み始めました。

硬貨

1966年、トリニダード・トバゴでは1セント、5セント、10セント、25セント、50セントの硬貨が発行されました。このうち、1セントと5セント硬貨は青銅製で、その他の硬貨は白銅製です。現在、50セント硬貨と1ドル硬貨はほとんど流通していません。これらの硬貨は、トリニダード・トバゴの日常生活における小額取引に利用されています。

紙幣

1964年、トリニダード・トバゴ中央銀行は、1ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドルの紙幣を発行しました。その後、50ドル紙幣は発行されなくなりましたが、1977年には新たに100ドル紙幣が発行されるようになりました。2003年には、紙幣のデザインが刷新され、偽造防止技術が導入されました。これらの紙幣は、トリニダード・トバゴにおける主要な決済手段として広く利用されています。

為替レート

トリニダード・トバゴ・ドルの為替レートは、国際市場の変動やトリニダード・トバゴ経済の動向によって日々変動します。主要な外国通貨との交換レートは、銀行や両替所で確認することができます。

まとめ

トリニダード・トバゴ・ドルは、その歴史的背景と独自の進化を経て、トリニダード・トバゴの経済活動を支える重要な役割を果たしています。硬貨と紙幣の形態で発行され、日々の取引や経済活動に欠かせない通貨です。トリニダード・トバゴを訪れる際には、この通貨に関する基本的な知識を持っておくと便利でしょう。

もう一度検索