トリビュートバンド

トリビュートバンドとは

トリビュートバンドは、敬愛する音楽家やバンドの楽曲を演奏し、その業績を讃えることを目的としたバンドです。トリビュートバンドは、オリジナルアーティストへの深い敬意と愛情を持ち、その音楽を忠実に再現しようと努めます。同様の活動を行うソロアーティストやグループは、総称してトリビュートアクトと呼ばれます。

定義

トリビュートバンドは、和製英語の「コピーバンド」や英語の「カバーバンド」と類似していますが、日本では単なるコピーを超えた存在として認識されることがあります。英語圏でも、cover bandとtribute bandは異なる意味合いで使用されることがあります。

広義には、オリジナルの楽曲やイメージを尊重し、トリビュート（讃辞、リスペクト）の意志を持って演奏するコピーバンドやカバーバンドは、すべて「トリビュートバンド」と定義できます。これには、解散または活動休止したバンド、故人の楽曲を演奏するグループ、現在活動中のアーティストの楽曲を演奏するグループなどが含まれます。また、トリビュートアルバムやトリビュートコンサートのために、オリジナルアーティストと関係のあるプロの音楽家が中心となって結成されるバンドも含まれます。

狭義には、楽曲だけでなく、ステージの再現にも忠実であることを重視する定義があります。この場合、楽曲の完全コピーに加え、衣装、使用楽器、ヘアスタイル、アクション、MC、照明、音響機材、演出手法などもオリジナルに忠実に再現することが求められます。

評価と反応

トリビュートバンドに対する評価は、メディア、オリジナルアーティスト、ファン、著作権者などによって異なります。演奏水準が「トリビュート」にふさわしいと評価され、著作権者から許可を得ている場合でも、メディアからは単なる「そっくりさん」と見なされることがあります。一方で、衣装やメイク、アクションなどを完全にコピーするパフォーマンスが、トリビュートアクトとして認められることもあります。

海外では、オリジナルアーティストがトリビュートバンドの実力を認め、交流したり、メンバーの代役を務めさせたりすることもあります。プログレッシブ・ロックバンドのイエスは、トリビュートバンドに参加していたミュージシャンを正式メンバーとして迎えた例もあります。

レッド・ツェッペリンのトリビュートバンド「レズ・ツェッペリン」は、高い演奏技術とパフォーマンスでメディアから絶賛され、独自のカラーを打ち出したCDも発売されています。クイーンのトリビュートバンド「KWEEN」は、ギタリストのブライアン・メイから謝意を表明されています。

ビートルズのトリビュートバンド「ビータリカ」は、楽曲の著作権を巡ってトラブルが発生しましたが、ファンの支持によりウェブサイトが復活し、アルバムがリリースされるなど、注目を集めました。

プロの音楽家による編成

日本では、トリビュートアルバムの制作やコンサートの開催時に、プロの音楽家がトリビュートバンドを結成することがあります。例えば、2009年には、忌野清志郎のトリビュートバンド「忌野清志郎 スペシャル・メッセージ・オーケストラ NICE MIDDLE with New Blue Day Horns」が結成され、フジロックフェスティバルで演奏しました。

トリビュートバンドは、オリジナルアーティストへの敬意と愛情を表現する形態として、世界中で愛されています。その形態や評価は様々ですが、多くの人々に感動と興奮を与え続けています。

もう一度検索