トルティーヤ・チップス

トルティーヤ・チップスの魅力

トルティーヤ・チップス（Tortilla chip）は、トウモロコシのトルティーヤをくさび型にカットし揚げたり焼いたりした人気のスナックです。このスナックは、トウモロコシのマサ（生地）を薄く生地にして作ります。主な材料はトウモロコシ、植物油、塩、そして水で、通常は黄色のトウモロコシが使われますが、白、青、赤のトウモロコシからも作ることができ、多様なバリエーションが楽しめます。大量生産品には、他の成分（小麦粉、砂糖、グルタミン酸ナトリウムなど）が加わっていることもあり、味や食感にバリエーションがあります。

歴史的背景

トルティーヤ・チップスの歴史は、1940年代後半のロサンゼルスに始まります。レベッカ・ウェッブ・カランサ（Rebecca Webb Carranza）が考案したこのスナックは、彼女の家族が立ち上げたトルティーヤ工場で生まれました。不良品としてたくさん生成されたトルティーヤをカランサは三角形に切り、家庭の集まりで揚げたところ、大好評を博しました。このことが彼女に商業的な可能性を見出させ、以後「トルティーヤ・チップス」として販売されるようになりました。かつて1袋10セントで販売されたこのスナックは、数十年後には広く知られる存在となり、1994年にはその功績が認められ、ゴールドトルティーヤ賞を受賞しました。

食文化の一部としてのトルティーヤ・チップス

アメリカやメキシコでは、トルティーヤ・チップスはテクス・メクス料理やメキシコ料理のレストランの代表的なアペタイザーとして広く利用されています。1970年代末からその知名度が上がり、市場競争も激化しました。トルティーヤ・チップスは、サルサ、チリコンケソ、ワカモレといったディップと共に提供されることが一般的で、「チップス・アンド・サルサ」として親しまれています。ディップがないときは、ハーブやスパイスで調味された淡白な味わいのチップスが楽しめます。

現在、トルティーヤ・チップスは、アメリカを含む多くの国で手に入るスナックとなっており、1つの主要なマーケットを形成しています。商業モデルとしては、フィリアスフォッグ、トスティートス、ドリトス、ドンタコス（日本）など、多様なブランドが販売されています。

トルティーヤ・チップスを活かした料理

また、トルティーヤ・チップスを使った料理として有名なのがナチョスです。1943年にイグナシオ・“ナチョ”・アナヤが初めて創作したこの料理は、揚げたトルティーヤ・チップスに溶かしたチーズをかけたもので、現在では様々なトッピング（肉、サルサ、ワカモレ、サワークリームなど）を加えることが一般的です。トッピングの組み合わせにより、ナチョスは多様なスタイルで進化し続けています。

トルティーヤ・チップスとコーンチップスの違い

トルティーヤ・チップスに似たスナックとしてコーンチップスが挙げられますが、二者の製法は異なります。コーンチップスはトルティーヤからではなく、コーンミールを特定の形に成形して作ります。この過程で、トルティーヤ・チップスは「ニシュタマリゼーション」という処理を経て作られます。

実は、オーストラリアやオセアニアでは、トルティーヤ・チップスとコーンチップスが同じ名前で呼ばれることが多いのですが、アメリカではそれぞれ異なるカテゴリとして認識されています。トルティーヤ・チップスは、ポテトチップスと並び、その市場に位置しているアイテムとして知られています。これからもトルティーヤ・チップスは、様々な料理と共に、世界中で楽しまれることでしょう。

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