トルネイドース

ザ・トルネイドース（The Tornados）について

ザ・トルネイドースは、1960年代初頭に活動していたイギリスのインストゥルメンタル・バンドで、特にその代表曲「テルスター」により広く知られています。彼らは有名なプロデューサー、ジョー・ミークによってプロデュースされ、1962年に発表した「テルスター」は瞬く間に大ヒットを記録しました。音楽史にも名を残すこのバンドの背景と成果について、詳しく見ていきましょう。

バンドの結成と初期活動

ザ・トルネイドースは、ジョー・ミークがセッション・ミュージシャンを集めて結成しました。初めの内はスタジオでの作業に専念し、後にブリティッシュ・ロックのアイコン、ビリー・フューリーのバックバンドとして活動を始めました。この頃、彼らは独自のレコードデビューも果たし、ミーク作の「ラヴ・アンド・フューリー」ではじめましたが、商業的には成功を収めることができませんでした。

「テルスター」の創作と大ヒット

1962年、トルネイドースにとっての転機が訪れます。この年にテルスター衛星が打ち上げられたことを受け、ミークはそのイメージを元に「テルスター」という曲を制作しました。彼はある晩、自宅で突然閃いたメロディーをすぐに記録するために手元にあった灰皿にメロディーを書き留め、その後、スタジオでレコーディングを行いました。この曲は、オルガンや奇抜な音を生み出すクラヴィオリンなど、独特な楽器編成が特徴です。

「テルスター」は1962年8月17日にイギリスでリリースされ、10月4日にはイギリスのチャートで1位を獲得。さらに、この曲はアメリカのBillboard Hot 100でも12月22日から3週連続で1位を記録し、イギリスのアーティストとしてはビートルズがアメリカに進出する前の快挙として知られています。この楽曲は1,000,000以上の売上を記録し、世界中で500万枚以上を販売したとされています。

その後の活動と解散

「テルスター」の成功を受け、トルネイドースはさらに「グローブトロッター」や「ロボット」などのヒット曲を発表します。また、これらの楽曲に対するミュージックビデオとも言える「スコーピトン・フィルム」も制作しました。しかし、メンバーの交代や不振にも見舞われ、1967年には解散を余儀なくされました。1975年、かつてのメンバーが再び集まり「テルスター」を再録音することも行われました。

メンバーの変遷

ザ・トルネイドースのメンバーは、活動を通じて頻繁に入れ替わりましたが、特に「テルスター」の録音時のメンバーには以下の人物が名を連ねていました。

• - ジョージ・ベラミー (リズム・ギター): 1941年生まれ。バンド活動後は作曲家としても成功。
• - ハインツ・バート (ベース): 詳細は関連項目を参照。
• - アラン・キャディ (リード・ギター): 1940年生まれ。セッション・ミュージシャンとしても多くの活動を行っていました。
• - ロジャー・ラヴァーン (ピアノ、キーボード): 1938年生まれ。後に人気のアーティストとして成長。
• - クレム・カッティーニ (ドラムス): 1938年生まれ。長い間トルネイドースの中心的存在でした。

代表曲とディスコグラフィ

トルネイドースの代表的な楽曲には、「ラヴ・アンド・フューリー」以外にも「テルスター」や「ロボット」、「空を飛ぶ恋」といった名曲があります。彼らのディスコグラフィには、1962年の『テルスター』や1963年の『アウェイ・フロム・イット・オール』などのアルバムが含まれ、多くのファンに支持されています。音楽史において、ザ・トルネイドースの存在はしっかりと根付いており、彼らの音楽は今なお多くの人々に親しまれています。

もう一度検索