トレド (オハイオ州)

トレド（Toledo）

トレドはアメリカ合衆国オハイオ州に位置する都市で、ルーカス郡の郡庁所在地です。2020年の国勢調査によると、現在の人口は約27万人で、州内ではコロンバス、クリーブランド、シンシナティに次いで第4位となっています。エリー湖の西端に位置し、ミシガン州の州境にも近いトレドは、かつて全米屈指の工業都市として知られ、多くの企業が集積していましたが、現在は人口減少が続いています。

概要

トレドという市名はスペインの古都トレドに由来しており、両都市は姉妹都市関係にあります。都市は中西部の鉄道網と五大湖の水路を結ぶ交通の要所に位置しており、製造業や物流業の中心となっていました。しかし、産業構造の変化に伴い、多くの企業が市外に移転したため、雇用は減少しています。近年、トレドの市当局は都市再開発に取り組んでいますが、中心市街地における治安の状況はあまり良くないと言われています。

地理

トレドの地理的な位置は北緯41度39分56秒、西経83度34分31秒です。市内にはモーミー川が流れ、エリー湖の西端に接しています。アメリカ合衆国統計局によれば、トレドの総面積は217.8 km²（84.1 mi²）で、このうち陸地が208.8 km²（80.6 mi²）、水域が8.9 km²（3.5 mi²）を占めています。水域は総面積の4.10%にあたります。

人口動態

トレドは1970年をピークに人口が減少しており、特に市街地では廃墟化が進んでいます。1950年代にはコロンバスとほぼ同等の人口でしたが、今では大きな差が開いています。2000年の国勢調査によると、トレドの人口は313,619人で、人口密度は1,502.0人/km²でした。人種構成は白人が70.23%、アフリカン・アメリカンが23.55%を占め、ヒスパニック・ラテン系も約5.47%います。

年齢別では、18歳未満が26.2%、25-44歳が29.8%であり、年齢の中央値は33歳でした。性別においては、男性が女性100人に対し91.9人存在しています。世帯の中には、18歳未満の子供がいる世帯が29.8%含まれており、未婚・離婚・死別の女性が世帯主であるケースも見受けられます。

歴史

トレドの歴史は1794年にフォート・インダストリーとして創設された入植地に遡りますが、1812年の戦争で全住民が避難しました。その後、1817年に再建され、1820年に現在のトレドという名前に決まりました。この市名は、地元商人の勧めなどにより名付けられたと言われています。1936年にはオーウェンズ・イリノイ社の本社ビルとして初のガラス張りのビルが完成し、建築史的に重要な建物として評価されています。

政争と暴動

トレドは歴史的に政争や暴動の舞台にもなりました。1835年から36年にかけてオハイオ州とミシガン準州の境界を巡る争いがあり、結果として今の州境が定められました。さらに、1967年には人種差別に根差した暴動が発生し、2005年にはネオナチ団体によるデモが暴動に発展する事態もありました。

対外関係

トレドは複数の姉妹都市を持ち、国際的な交流を図っています。例えば、ドイツのデルメンホルストや日本の豊橋市と姉妹都市関係を結んでいます。

経済と教育

トレドはかつて自動車産業によって繁栄していましたが、現在はその地位を他の産業に譲っています。トレドには複数の大学が存在し、教育機関としても重要な役割を果たしています。

文化・名物

スポーツ面では、トレド・マッドヘンズという野球チームが知られています。市内には多くの著名人が出身しており、文化的にも多様な要素を持つ都市です。

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