トレバー・バービック

トレバー・バービック（Trevor Berbick）は、1954年8月1日にカナダのジャマイカ出身で、2006年10月28日に亡くなった元プロボクサーです。彼は特にWBC世界ヘビー級王者として知られ、そのリングでの活躍は今も語り継がれています。

ボクシングキャリアの始まり

バービックは20歳のときにボクシングを始めました。まだキャリア初期の段階である11戦（8勝3敗）を経て、ジャマイカ代表としてモントリオールオリンピックにヘビー級（81kg超）で出場。残念ながら、一回戦で銀メダリストのミルチア・サイモンに敗退してしまいます。しかし、この経験は彼にとって貴重なものとなりました。

1976年にカナダでプロデビューし、1979年にはカナダヘビー級タイトルを獲得。1981年4月11日には、当時のWBC世界ヘビー級チャンピオンであるラリー・ホームズに挑戦しましたが、判定で敗北しました。この試合は彼にとって貴重な学びの機会となったでしょう。

ちょうどその後の1981年7月21日、バービックは英連邦ヘビー級タイトルを獲得。1981年12月11日には伝説のボクサー、モハメド・アリとの試合を行い、判定勝ちを収めました。アリにとって、この試合は引退前最後の戦いとなりました。

1985年には全米ヘビー級タイトルを獲得し、1986年3月にはピンクロン・トーマスに勝利してWBC世界ヘビー級タイトルも手に入れました。しかし、同年11月22日にはマイク・タイソンとの試合で2ラウンドTKO負けを喫し、タイトルを失ってしまいます。

異種格闘技戦への挑戦

1991年12月22日、バービックはUWFインターナショナルで高田延彦との異種格闘技戦に挑みました。しかし、高田の一発のローキックにより、意気消沈して自らリングを降りる結果となりました。この試合のルールに関する誤解もあり、観客の間でも議論が巻き起こりました。

2000年5月、バービックは試合に勝利したものの、CTスキャンで脳に血栓が見つかり、彼はボクシング界から引退を余儀なくされました。

犯罪歴と悲劇的な死

バービックの人生はボクシング以外の面でも波乱に富んでいました。1991年には元マネージャーの女性を脅迫して金を奪ったとして有罪判決を受け、1992年にはベビーシッターを強姦した罪で懲役5年の判決を受けます。その後、アメリカからの国外強制退去を命じられました。

2002年12月にはマイアミでの交通違反で逮捕され、移民局で拘束された後、再び国外強制退去となります。

2006年10月28日、バービックの遺体がジャマイカの教会の中庭で発見されました。犯人として彼の18歳の甥と共犯者が逮捕され、動機は土地の所有権に関するものであることが明らかになりました。甥は終身刑、共犯者は14年の懲役を言い渡されています。

総括

トレバー・バービックは、そのボクシングキャリアの中で多くの成功を収めつつも、人生の終わりには悲劇的な結末を迎えました。彼の名は今もボクシングの歴史に刻まれています。

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