トレヴァー・ラビン

トレヴァー・ラビンの音楽人生

トレヴァー・ラビン（Trevor Rabin）は、1954年1月13日に南アフリカ共和国で、音楽的な家庭に生まれたロックミュージシャンです。彼の父親はシンフォニー楽団の第一ヴァイオリン奏者、母親はピアノ教師であり、自然と音楽に囲まれた環境で育ちました。5歳からピアノ、12歳からギターを習い、早くから音楽への情熱を燃やしていました。

ソロ活動の始まり

1972年に南アフリカでハードロックバンド「ラビット」に在籍し、音楽キャリアをスタート。彼は二枚のアルバムをリリースし、国立的な知名度を得ます。その後、イギリスに移住し、ソロアーティストとしての道を模索しました。1982年には、イエスのメンバーだったトレヴァー・ホーンやハンス・ジマーと出会い、音楽活動に新たな展開が訪れました。

イエスとの関わり

1983年、ラビンは「シネマ」という新バンドに参加し、そのデビューアルバムがイエスの再始動に寄与します。結果として、イエスの11枚目のアルバム『ロンリー・ハート』が全米での大ヒットを記録しました。その後も、『ビッグ・ジェネレイター』や『結晶』などの名盤を重ね、1994年までイエスのメンバーとして活躍しました。

映画音楽への転身

1995年になると、ラビンは映画音楽の制作にシフトし、ハンス・ジマーが率いるメディア・ベンチャーズに参加。『アルマゲドン』や『ナショナル・トレジャー』など多くの映画音楽を手がけ、その名声を再び高めます。2004年、トレヴァー・ホーンの25周年記念コンサートでイエスとして復帰し、その健在ぶりを示しました。2012年には、23年ぶりとなるソロアルバム『Jacaranda』をリリースしました。

アンダーソン、ラビン＆ウェイクマン

2016年、彼は元イエスメンバーであるジョン・アンダーソン、リック・ウェイクマンと共に「アンダーソン、ラビン＆ウェイクマン（ARW）」を結成。このグループはイエスの楽曲を演奏し、2017年には「ロックの殿堂」入りを果たしました。その後、正式名称を「イエス feat. ジョン・アンダーソン、トレヴァー・ラビン、リック・ウェイクマン」に変更し、世界中でツアーを行っています。

ギタリストとしての技術

ラビンのギタープレイは、まさに卓越したもので、変拍子を含む複雑なテクニックを駆使した華麗なソロが特徴です。彼はまた、ボーカリストとしても高い評価を受けており、多くの楽曲でリードボーカルを担当。特に『ロンリー・ハート』は、彼の手によって実質的に作られた作品であり、商業的成功を収めました。

彼の使用機材は、改造された60年代のフェンダー・ストラトキャスターや、プロの現場で使用される先進的なエフェクト機器とともに、音楽制作でのクオリティをいっそう高める要因となりました。

エピソード

1984年、イエスのワールドツアーが予定されていましたが、ラビンは怪我により延期されました。プールでの事故で脾臓を摘出する手術を受け、ツアーの機会を逃すことになりました。また、南アフリカ国籍のため、日本での公演がアパルトヘイト問題で実現しなかった経験もあります。

まとめ

トレヴァー・ラビンが卓越したミュージシャンであることは、そのキャリアの随所で証明されています。ソロとしてもグループとしても多くの成功を収め、映画音楽の分野でも存在感を示し続けています。彼の音楽は、数世代にわたり多様な影響を与え続けています。

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