トレーニング デイ

映画『トレーニング デイ』の詳細

『トレーニング デイ』は、アントワーン・フークアが監督、デヴィッド・エアーが脚本を手がけた2001年公開のアメリカの犯罪スリラー映画です。本作はロサンゼルスの麻薬取締官による24時間の訓練日をテーマにしており、主演のデンゼル・ワシントンは悪役を演じ、アカデミー主演男優賞を受賞しました。

概要

本作の視点から見ると、ベテラン刑事と新人刑事という組み合わせのバディムービーの特徴とは異なり、二人の関係は友情を育むことなく、対立に終始します。デンゼル・ワシントンが悪役に挑戦したことで、彼の演技が高く評価されました。映画の舞台となったロサンゼルスのストリートは、実際のギャングとの協力によりリアルに再現されています。

あらすじ

物語は、ロサンゼルス市警のパトロール警官ジェイクが、新人刑事として麻薬取締課に配属されるところから始まります。意気揚々と初出勤する彼は、指導教官のアロンゾに呼び出されカフェで待ち合わせます。しかし、アロンゾは「訓練日」と称し、ジェイクを違法行為の渦中に巻き込みます。アロンゾの信条は「悪を倒すには悪になる必要がある」というもので、ジェイクは麻薬を吸引させられ、彼に従わざるを得ない状況に陥ります。

アロンゾは無断で麻薬あるいは悪の商人との接触を試み、他の犯罪にも手を染めます。彼はギャングの中で名高いロジャーの家にマフィアの資金を稼ぐために向かい、ジェイクを道連れにします。その結果、様々な暴力行為に巻き込まれながら、ジェイクは生き残るためにアロンゾとの対立を強いられます。

この一日を通じて、アロンゾの真実が次第に明らかになり、彼がロシアン・マフィアと関わっていることが判明します。逃げるための資金調達を急ぐアロンゾは、殺し屋から逃げる中で、仲間を裏切り、ついには自身も危機に陥ります。良心と倫理を守りたいジェイクは、アロンゾの悪行を止めるために立ち向かいます。

キャストとスタッフ

監督はアントワーン・フークア、脚本をデヴィッド・エアーが担当。主要キャストにはデンゼル・ワシントンのほか、エthan Hawke、Scott Glennなどが名を連ねています。また、音楽はマーク・マンシーナが手がけ、映像の迫力を引き立てています。

評価と反響

本作は批評家から高評価を受け、Rotten Tomatoesの支持率は73%、平均点は6.50/10という評価を得ています。また、Metacriticでも69/100とされ、業界内外から注目を浴びました。作品の内容やデンゼル・ワシントンの演技力の高さ、根深い社会問題が描かれている点などが評価されています。

制作の背景

本作が制作された当時、ロサンゼルス市警の捜査部隊「CRASH」において汚職事件が発覚し、これが映画に大きな影響を与えました。監督はこのスキャンダルが映画製作を促進する要因となったと語っています。

『トレーニング デイ』は、アクションとサスペンスが交錯する中で、警察の腐敗や倫理について深く考えさせられる作品です。

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