トワーニ

株式会社トワーニ：短命に終わった映画制作会社の軌跡

株式会社トワーニは、1998年8月21日に、名だたる大企業である東芝、ワーナー・ブラザース映画、日本テレビ放送網が共同で出資して設立された、日本の映画制作プロダクションです。設立当初は大きな期待が寄せられていましたが、思うような成果を上げることができず、2004年9月30日に倒産・廃業という結末を迎えました。その後、事業と版権はワーナー エンターテイメント ジャパン株式会社（現在のワーナー ブラザース ジャパン合同会社）に譲渡されています。

社名の由来と設立の背景

社名の「トワーニ」は、出資した3社の頭文字、つまり東芝の「ト」、ワーナー・ブラザース映画の「ワ」、日本テレビの「ニ」を組み合わせたものです。さらに、永遠に発展していくようにという願いを込めて、「ト」を重ねたアクロニムとなっています。設立当初は、各社のノウハウを結集し、新たな映画制作の可能性を切り開くことが期待されていました。

興行収入の不振と倒産

トワーニは、『さくや妖怪伝』のヒットをきっかけに、2003年9月27日以降、上映作品数を増やしていきました。しかし、最後の作品となった『キューティーハニー』では、イエローキャブブームに乗じて佐藤江梨子を主演に抜擢し、会社設立以来最大の総製作費を投入したものの、興行収入は目標の半分にも満たない4億円台に留まり、大きな赤字を抱えることになりました。このことが、倒産を決定づける要因となりました。ちなみに『キューティーハニー』には、友情出演した倖田來未（自身がカバーした同作の主題歌は、倖田の代表曲となった）の出世作になるなどの話題性もありました。

ワーナーによる事業継承とその後

トワーニの廃業後、配給の受託を担当していたワーナー ブラザース ジャパン合同会社は、トワーニ出身のスタッフの大半を再雇用し、邦画の自社配給権買い付けに参入しました。そして、2010年12月18日公開の『最後の忠臣蔵』から、ワーナーの日本法人が自ら邦画の自社製作に乗り出しています。トワーニと同様に日本テレビと組んだ『デスノート』シリーズが大ヒットとなるなど、多くの作品を配給しており、ワーナーの邦画に日本テレビが自社制作した作品が多い背景には、トワーニの存在があったと言えるでしょう。

主な製作映画

さくや妖怪伝（2000年）
ドッペルゲンガー（2003年）
天使の牙B.T.A.（2003年）
キューティーハニー（2004年）

株式会社トワーニは、短命に終わった映画制作会社でしたが、その後の映画業界に少なからず影響を与えました。設立当初の理念や、最後の作品となった『キューティーハニー』の興行収入の不振など、様々な要因が重なり、倒産という結果につながりましたが、その功績は忘れるべきではありません。

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