トングリ砂漠

トングリ砂漠の概要

トングリ砂漠（トングリさばく）は、中国の内モンゴル自治区アルシャー盟から甘粛省中部にかけて広がる広大な砂漠です。この砂漠の面積は約37,000平方キロメートルで、中国においては4番目に広い砂漠となっています。また、トングリ砂漠はトンゴリ砂漠やテンゲル砂漠とも呼ばれ、「トングリ」という言葉はモンゴル語で「果てしなく大きな空」を意味します。

この砂漠は、東側には賀蘭山、西側には雅布頼山が位置し、南部の一部は万里の長城に接しています。砂漠の標高は平均1,200メートルと高く、その約7割を砂丘が占めています。トングリ砂漠の砂丘は多くが三日月形になっており、移動しやすい特徴があります。砂丘の高さは通常10メートルから30メートルですが、中には100メートルを超えるものもあります。

砂漠の生態系

トングリ砂漠は厳しい環境にもかかわらず、南西部には植物が生育している地域があります。具体的には、マオウやヨモギなどが点在しており、これらの植物は砂漠の過酷な環境に適応しています。特に、砂漠内には400以上の湖が存在し、淡水湖が多く見られます。湖の周囲にはヨモギが生育しており、これが家畜の飼料となり、地域の遊牧生活を支えています。

ユネスコ世界ジオパーク

アルシャー盟に位置するトングリ砂漠は、バダインジャラン砂漠や居延海砂漠とともに、「アルシャー砂漠ユネスコ世界ジオパーク」に指定されています。これは砂漠独自の生態系や地形が評価された結果であり、地域の自然環境の保護や観光振興に寄与しています。

交通の発展

最近では、トングリ砂漠を通過する交通インフラの整備も進んでいます。2021年12月29日には、烏瑪高速道路の寧夏回族自治区青銅峡市から中衛市への区間が開通しました。この道路は全長122.9キロメートルのうち18キロメートルがトングリ砂漠を通っており、地域の交通アクセスを向上させています。

まとめ

トングリ砂漠は、中国の美しい自然の一部であると同時に、その独自の生態系や地形の魅力で、多くの観光客や研究者を惹きつけています。広大な砂丘の風景、湖とその周辺の植物群は、厳しい環境下でも生き続ける生命の営みを感じさせ、訪れる人に深い印象を与えることでしょう。

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