トンネル内ラジオ再放送設備

トンネル内ラジオ再放送設備について

トンネル内ラジオ再放送設備は、通常のラジオ電波が届きにくい道路トンネル内で、AMラジオやFMラジオを快適に受信できるようにするための設備です。これにより、運転者はトンネル内でもカーオーディオでラジオ番組を途切れることなく楽しむことができます。

設備の役割

ラジオ放送の受信を可能にするだけでなく、災害や事故などの緊急時には、避難誘導情報などの重要な情報を割り込ませて放送する役割も担います。これにより、トンネル内の利用者は迅速かつ適切に行動することが可能になり、安全確保に大きく貢献します。

設置基準

設置基準は、国土交通省の定める「道路トンネル非常用施設設置基準」に基づいており、トンネルの等級によって設置の要否が定められています。具体的には、トンネル等級AAに分類されるトンネルでは原則として設置が義務付けられ、トンネル等級Aでは必要に応じて設置することとされています。また、使用する機器は電波法、放送法、有線電気通信法、電気通信事業法、電気用品安全法、日本工業規格、その他の関係法令および規格に適合している必要があります。

構造

設備の基本的な構造は、以下のようになっています。

1. 受信アンテナ: トンネル付近に設置されたアンテナで、AM/FMラジオの電波を受信します。
2. 信号処理:
AMラジオ: 受信した電波を振幅変調し、必要な電力まで増幅します。
FMラジオ: 放送局との同意に基づき、ステレオ放送やFM文字多重放送を行うために、復調せずに再送信します。このため、メタルケーブルは使用できません。
3. 送信アンテナ: トンネル内に敷設された漏洩同軸ケーブルが送信アンテナとして機能し、トンネル内の車両に対して放送を届けます。
4. 緊急放送: 緊急時には、全ての放送チャンネルに割り込んで、音声メモリに保存された情報や、道路管理事務所からのマイク放送を流すことができます。

技術的な特徴

FMラジオの再送信では、音質の劣化を防ぐため、信号を復調せずに再送信する方式が採用されています。
トンネル内の送信アンテナには、電波を効率的に届けるために漏洩同軸ケーブルが使用されています。
* 緊急放送は、どのような状況でも確実に情報を伝えられるように、全てのチャンネルに割り込んで放送されます。

その他の情報

関連する情報として、路側放送があります。路側放送は、道路の脇に設置されたスピーカーから情報を伝えるシステムで、トンネル内ラジオ再放送設備と同様に、交通情報や緊急情報を提供します。

まとめ

トンネル内ラジオ再放送設備は、トンネル内での快適なラジオ聴取環境を提供するだけでなく、災害時などの緊急時における重要な情報伝達手段としての役割を担う、現代社会に不可欠な設備です。関係法令を遵守し、安全かつ円滑な交通を支えるために重要な役割を果たしています。

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