トンボ鉛筆

株式会社 トンボ 鉛筆：文具の革新を牽引する老舗メーカー

株式会社トンボ鉛筆は、1913年の創業以来、鉛筆や消しゴムなどの文房具を製造・販売する日本の老舗企業です。特に「MONO」ブランドは、その高品質と革新性で広く知られています。

トンボ 鉛筆の概要

トンボ鉛筆は、三菱鉛筆と並ぶ日本の大手鉛筆メーカーとして、文具業界を牽引してきました。特に「MONO」ブランドは、消しゴム、修正テープ、スティックのりなど、数々の製品で国内シェア1位を獲得しています。

社名の「トンボ」は、古来「あきつ」と呼ばれた蜻蛉（トンボ）が、日本の古称「秋津島」に由来することから、日本を代表する鉛筆メーカーになりたいという願いが込められています。

トンボのロゴは1927年から使用され、海外向けには「Tombow」の表記が用いられています。これは、墓を意味する「TOMB」との誤解を避けるためです。かつては頭を下げたトンボのロゴでしたが、2011年に上向きのロゴに変更され、更なる高みを目指す姿勢を示しました。

トンボ 鉛筆の歴史

- 1913年：創業者である小川春之助が、浅草で「小川春之助商店」を創業。
- 1920年：「Harunosuke Ogawa Pencil」の略称である「H.O.P.」を商標登録。
- 1927年：「トンボ印」を商標とし、鉛筆の販売を開始。
- 1939年：会社組織に移行し、製造部門を「株式会社トンボ鉛筆製作所」、販売部門を「トンボ鉛筆商事株式会社」とする。
- 1945年：鉛筆のスタンダード「No.8900」を発売。当初は写真修正用として販売された。
- 1955年：プロ野球球団高橋ユニオンズとスポンサー契約を結び、「トンボユニオンズ」とチーム名を変更（翌年に契約解消）。
- 1957年：初代社長の小川春之助が死去。二代目社長に小川八郎が就任。
- 1957年：アートディレクター河野鷹思による「下向きトンボ」の企業シンボルとロゴタイプ「Tombow」の使用を開始。シャープペンシル「HOMOホルダー」を発売。
- 1963年：創業50周年を迎える。最高級鉛筆「MONO」を発売。
- 1964年：社名を「株式会社トンボ鉛筆」に変更。
- 1967年：最高級鉛筆「MONO100」を発売。おまけとして消しゴムを付ける。
- 1969年：「MONO消しゴム」の市販を開始。
- 1971年：国内初のスティック糊「Pit」を発売。
- 1986年：消し屑がまとまる消しゴム「NON DUST」を発売。「ZOOM505」を発売し、デザインコレクションを展開。
- 1991年：横引き修正テープ「修正テープMONO」を発売。
- 1992年：端材を軸材とした鉛筆「木物語」を発売。
- 1995年：企業ロゴタイプを大文字表記のみの「TOMBOW」に変更。
- 2000年：テープのり「Pit tape」を発売。
- 2007年：ホルダー型消しゴム「MONO ONE」を発売。業界最細のノック式ホルダー消しゴム「MONO ZERO」を発売。本社新社屋を利用開始。
- 2009年：学童用文具の新ブランド「ippo!（イッポ）」を展開開始。
- 2011年：新ロゴマークを導入。トンボのシンボルが上向きになる。
- 2013年：創業100周年を迎える。

トンボ 鉛筆の主な製品

トンボ鉛筆は、鉛筆、消しゴム、筆記具、のり、修正テープなど、幅広い製品を製造・販売しています。

鉛筆

- MONOシリーズ

- MONO100：最高級製図用鉛筆。1mm³あたり100億個の微粒子化を実現した芯を使用。
- MONO：ハイスタンダードモデルの高級製図用鉛筆。1mm³あたり80億個の微粒子化を実現。
- MONO-R/MONO-RS：事務・学習用のスタンダードモデル。
- MONO-J：MONOシリーズ最廉価の事務・学習用ベーシックモデル。

- No.8900：オリーブグリーンの塗装が特徴のロングセラー鉛筆。元々は写真修正用・製図用高級鉛筆として販売。
- 木物語：環境配慮製品の鉛筆。端材を再利用した軸を使用。
- 歴史的鉛筆製品

- Tombow Drawing Pencils：日本初の硬度を揃えた高級製図用鉛筆。
- No.8800：同社初の自社製芯による高級製図用鉛筆。
- HOMO No.4612：MONO鉛筆の前身となった高級製図用鉛筆。海外でホモセクシャルを連想させるとの指摘を受け、MONOシリーズへ移行。

色鉛筆

- 色辞典：全100色の大人向け色鉛筆。セットは全3集。
- 木物語色鉛筆：環境配慮製品の色鉛筆。
- No.1500 NQシリーズ：ロングセラー色鉛筆。
- No.2200 硬質色鉛筆：製図などに適した硬質色鉛筆。
- No.2285 マーキンググラフ：ガラスなどに筆記できる紙巻き軟質色鉛筆。

消しゴム

- MONO消しゴム：青・白・黒の三色ストライプが特徴のロングセラープラスチック字消し。2017年に色彩商標登録。標準、ライト、ノンダストなど、多数のバリエーションがある。

その他の製品

- ボールペン：ZOOMシリーズ
- シャープペン：MONO Graphシリーズ
- サインペン：PLAYCOLOR2〈ツイン式〉
- 蛍光ペン：蛍coatシリーズ
- スティックのり：PITシリーズ（日本初のスティックのり）
- 修正テープ：MONOテープシリーズ

企業広告

トンボ鉛筆は、数々の広告賞を受賞しています。代表的なものとして、以下のような広告があります。

- 「ロケットも、文房具から生まれた。」
- 「人は、書くことと、消すことで、書いている。」
- 「子どもは、のりを、事務用品だと思ったことがない。」

これらの広告は、トンボ鉛筆の製品が持つ創造性を表現し、多くの人々に感動を与えました。

その他の活動

- 1955年：プロ野球球団「トンボユニオンズ」のスポンサー。
- 1970年代：ザ・ドリフターズをイメージキャラクターとして起用。
- 受験生応援キャンペーンに合わせ、文化放送の番組を提供。

まとめ

トンボ鉛筆は、100年以上の歴史を持つ老舗文具メーカーでありながら、常に革新的な製品を生み出し続けています。その製品は、多くの人々の学習や仕事、クリエイティブな活動を支えています。これからも、トンボ鉛筆は、文具の可能性を広げ、人々の生活を豊かにしていくでしょう。

もう一度検索