トーマス・ジョージ・モントゴメリー

トーマス・ジョージ・モントゴメリー中佐

トーマス・ジョージ・モントゴメリー中佐（1830年～1878年）は、19世紀のイギリスの測量官として著名です。特に、1850年代のインド大三角測量に貢献し、K2という山の名前を付けたことで知られています。この名称は、「K」がカラコルムを象徴しており、K2の一般的な通称として広く認識されています。

測量の業績

モントゴメリーは、測量実施中に多くの登山試みが失敗に終わることがあったものの、彼が所属していたインド測量局が行った測量は、当時としては非常に精密であると評価されています。彼らの計測した山の標高は、現代の標準的な値に非常に近いことが明らかになっており、彼の成果は後世にわたって重要な意義を持っています。

1865年、モントゴメリーはパンジャーブからカラコルム山脈への測量の功績に対して、王立地理学会から金メダル（創立者メダル）を受賞しました。この受賞は、彼の業績がどれほど評価されているかを示すものであり、その後の測量事業にも大きな影響を与えました。

インドからチベットへ

モントゴメリーは、インドでの測量結果を踏まえて、チベット地域における測量の拡大に関与しました。チベットはイギリス帝国の領土外であったため、彼はインド人の助手を雇い、チベット人旅行者に偽装して情報収集に赴かせるという創造的な手法を用いました。これにより、彼らは困難な地形の中での探査を可能にし、測量を進めていきました。

1867年には少佐に昇進し、彼は中央アジアの探検を行うための現地エージェントを雇う任務を担い、ペシャワールに派遣されました。この任務の一環として、彼はチトラルやバダフシャーンでの測量を行うために多くの人を雇いました。その中には、1870年にスワート、ディール、バダフシャーンを回ったヒデル・シャーも含まれています。

主な研究論文

モントゴメリーはまた、いくつかの重要な論文を執筆しており、その中には次のようなものがあります：

• - T. G. Montgomerie, "A Havildar's Journey through Chitral to Faizabad in 1870," Journal of the Royal Geographical Society of London. vol. 42, 1872, pp. 180–201
• - Lieut.-Col. T. G. Montgomerie, "Journey to Shigatze, in Tibet and Return by Dingri-Maidan into Nepaul in 1871," Journal of the Royal Geographical Society of London, 1876
• - Lieut.-Col. T. G. Montgomerie, "Narrative of an Exploration of the Namcho, or Tengri nur Lake in Great Tibet made by a native Explorer during 1871-2," Journal of the Royal Geographical Society of London, 1876
• - Lieut.-Col. T. G. Montgomerie, "Journey from Pitoragarh, In Kumaon, via Jumlah, to Tadum and back, along the Kali Gandak to British Territory," Journal of the Royal Geographical Society of London, 1876

これらの論文は、彼の探査活動を詳細に記録しており、測量の歴史における重要な資料として評価されています。

まとめ

トーマス・ジョージ・モントゴメリー中佐は、測量の分野で多大な貢献をし、多くの探検に参加しました。彼の功績はその後の地図作成や測量技術の進化に寄与し、今なお多くの人々に影響を与えています。

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