トールケース

トールケースとは

トールケースは、主にDVD-VideoやBlu-rayといった光ディスクのパッケージとして利用されているケースの一種です。また、PlayStation 2などのROMディスクを使用するビデオゲームのパッケージにも広く採用されています。

概要

元々はVHSのパッケージとして「キープケース」というものが存在していましたが、コスト面から安価なプレスボード製の箱が主流でした。しかし、光ディスクでビデオゲームが発売されるようになると、取扱説明書を収納できるラグが付いたプラスチック製のトールケースが用いられるようになりました。

初期には、マスターシステム用のカートリッジやカードがトールケースに梱包されていました。セガのメガドライブのゲームも、VHSケースとほぼ同じサイズのトールケースが使用されていましたが、後にコスト削減のためプレスボード製の箱へと変更されました。

DVDケースが普及する以前は、メガCDやPlayStationの初期タイトルなど、CD-ROMベースのビデオゲームは厚みのあるジュエルケースに入れられていましたが、壊れやすいという難点がありました。PlayStation 2以降は、ニンテンドーDSやPSPのタイトルを含め、多くの据え置き型ゲーム機のゲームソフトにトールケースが採用されています。

構造

素材と特徴

トールケースは、透明なポリエチレン製のアウタージャケットと、透明または着色されたポリプロピレン製のインナーケースで構成されています。インナーケースの背面には、印刷された紙のジャケットが挿入されるのが一般的です。ケースの色は、黒や白の他に、赤や透明など様々なバリエーションがあります。

ケース内部には、小冊子や追加情報を記載した紙を挟むためのクリップが付いています。ディスクは、トレイの中心にあるタブによって固定されます。PlayStation 2やゲームキューブなどの据え置き型ゲーム機では、メモリーカードを収納するための突起が設けられているものもあります。

タブの種類

CDとDVDの構造の違いから、DVDを固定するための様々なタブの設計が考案されています。CDは一層のプラスチック素材でできていますが、DVDは二層構造で、層が薄く、中心部まで接着されていません。そのため、DVDタブはCDタブよりも弱く、CD専用のケースに収納すると破損する可能性があります。

破損リスク

ジュエルケースと比較してトールケースはサイズが大きいため、ディスクが中央のタブから外れると、ケース内で動き回り、記録面がタブによって傷つけられることがあります。特に輸送時には注意が必要です。

中央の「プラック・ハブ」は、出荷時にディスクを固定するように設計されていますが、家庭での使用にはきつすぎる場合があります。ディスクを取り外す際に無理な力が加わることで、ディスクが損傷する可能性もあります。センターハブのエッジを少し曲げることで、ディスクを簡単に取り外せるように調整することも可能です。

まとめ

トールケースは、光ディスクやビデオゲームのパッケージとして広く利用されており、ディスクを保護し、付属品を収納するのに適した構造を持っています。しかし、ディスクの取り扱いには注意が必要であり、破損のリスクを理解した上で適切に使用することが大切です。

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