ドイツの政党

ドイツの政党

ドイツにおける政党制は、ボン基本法第21条によって法的地位を与えられ、政党設立の自由が保障されています。しかし、その内部秩序は民主主義の原則に適合している必要があり、自由民主主義の秩序を侵害するような政党は違憲と判断される可能性があります。

歴史

第二次世界大戦後

戦後の西ドイツでは、少数政党の乱立を防ぎ議会政治を安定させるため、議席阻止条項が導入されました。これにより、キリスト教民主同盟（CDU）/キリスト教社会同盟（CSU）、社会民主党（SPD）、自由民主党（FDP）の四党制が長く続きました。しかし、1983年に緑の党（Grünen）が議会に進出し、五党制へと移行します。

一方、ソ連占領地域では、ドイツ社会主義統一党（SED）が支配政党となり、東ドイツを指導しました。CDUやLDPDなどの政党も存在しましたが、SEDの衛星政党としての役割を担いました。1989年の東欧革命後、東ドイツでも民主化が進み、多くの政党が設立されました。

1990年のドイツ再統一後、SEDの後継政党である民主社会党（PDS）も参入し、2005年以降は左翼党（Linke）が躍進し、六党制が定着しました。2017年の連邦議会選挙では、ドイツのための選択肢（AfD）とFDPが議席を獲得し、七党制となりました。

主な政党

連邦議会に議席を有する政党

ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟（BSW）: 2024年に結党された新しい政党。
左翼党（Linke）: 旧東ドイツの支配政党SEDの後継政党。
ドイツ社会民主党（SPD）: 19世紀からの伝統を持つ中道左派政党。
同盟90/緑の党|同盟90_緑の党 （B90/Grünen）: 環境主義政党と旧東ドイツの民主化勢力が合併した中道政党。
自由民主党（FDP）: 自由主義政党。
ドイツキリスト教民主同盟（CDU）: 中道右派のキリスト教民主主義政党。
バイエルン・キリスト教社会同盟（CSU）: 保守主義政党。CDUと統一会派を構成。
ドイツのための選択肢（AfD）: ユーロ圏離脱を掲げる右派政党。
南シュレースヴィヒ選挙人同盟（SSW）: デンマーク系住民の利益を代表する地域政党。

州議会にのみ議席を有する政党

民主人民党（DVP）
ドイツ海賊党（PIRATEN）

地方自治体議会にのみ議席を有している政党

ドイツ国家民主党（NPD）

政党法

政党法は、政党を国民の政治的意思形成に協力するものと規定し、政党の組織や運営、財政などについて詳細な規定を設けています。政党は党則や綱領を持つ必要があり、党員集会や理事会を設置することが義務付けられています。また、政党に対する国庫補助も規定されています。

まとめ

ドイツの政党制は、戦後の歴史的な経緯を経て、複雑な多党制へと発展してきました。各政党はそれぞれの理念や政策を掲げ、ドイツ政治において重要な役割を果たしています。今後の政党勢力の変動にも注目が集まります。

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