ドイツ保守党

ドイツ保守党について

概要

ドイツ保守党（Deutschkonservative Partei、略称：DKP）は、ドイツの帝政時代における主要な保守政党で、1876年に設立されました。この政党は、プロイセンの保守党を中心に結成され、多くの地主層によって支持されてきました。

党の起源と初期の活動

ドイツ保守党は、主にエルベ川東部に住む大地主たちで構成されたユンカーからの支持を受けていました。しかし、工業化の影響で農業の地位は低下し、党の影響力は徐々に衰退していきました。さらに、ビスマルクによるドイツ統一は、彼らにとって拒絶すべき「上からの革命」と見なされ、1871年の帝国設立後、この党は権力を維持するものの、その存在感は薄れていきました。

それでも、同党は1871年以降もプロイセンで多くの重要なポストを保持し、ビスマルクへの忠誠心を貫きました。1870年代半ばになると、保守党内部には「ドイツ」に対する態度を見直そうとする動きが見え始め、ビスマルクも保護貿易に方向転換する中で、1876年にドイツ保守党が正式に誕生しました。この新しい党は、綱領を制定し、プロイセンに根ざした政策を掲げました。

政策と綱領

保守党は、東エルベ地域の支持強化、君主制の維持、宗教教育の強化、経済の自由への反対、そしてドイツ社会主義労働者党への強硬姿勢などを掲げた綱領を策定し、党の基盤を確立しました。1880年代にはビスマルクの支援のもと、他の保守派政党と連携し、「カルテル」と呼ばれる選挙協力体制を築き上げました。

ヴィルヘルム2世時代の変化

1890年以降、ビスマルクが失脚すると、ヴィルヘルム2世の下で新たな政策が取られ、自由貿易主義が強調されましたが、これは大地主たちの利益を損なうものであり、保守党は強い反発を示しました。1892年にはティヴォリ綱領が制定され、農業と手工業者の利益擁護を焦点に展開されました。この流れの中で、中小農民への支持拡大を狙った農業者同盟も成立し、党はその影響力を強めていきました。

政治的影響力の衰退

しかし、保守党はやがて他の政党との連携がうまくいかず、孤立を深めました。特に親政期の政府においてその力は次第に衰え、プロイセン地域の政党としての役割を強めつつありました。プロイセン衆議院では第一党であり続けたものの、全国的な視点からは孤立した状況に陥り、1910年代に入るとその影響力は不安定さを増していきました。

第一次世界大戦と戦後の動向

1914年に勃発した第一次世界大戦では、保守党は戦争目的として「勝利の平和」を唱えましたが、社民党など他の政党との対立が続きました。1918年にはドイツ革命が起こり、保守党は自由保守党や国民自由党の右派と結集し、ドイツ国家人民党（DNVP）を結成しました。これにより、ドイツ保守党としての歴史に幕を下ろし、新たな政治勢力としての活動を開始することとなりました。

結論

ドイツ保守党は、長い歴史の中でプロイセン地域を中心に保守的な政治を展開し、さまざまな変遷を経ながらもその影響力を保持してきました。第一次世界大戦後に組織としての形を変えることになりましたが、その存在はドイツ帝国の政治において決して小さくありませんでした。

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