ドイツ国家人民党

ドイツ国家人民党 (DNVP) の歴史と影響

概要

ドイツ国家人民党（Deutschnationale Volkspartei、略称：DNVP）は、1920年から1933年にかけてのヴァイマル共和政期に存在した保守・右派政党です。この党は、第一次世界大戦後の1918年に、ドイツ保守党や自由保守党など帝政時代の保守党が合併して設立されました。民族主義、反ユダヤ主義、君主制保守主義といった右翼的要素が、党の中心的な政策となっていました。

結党と党の方針

第一次世界大戦後、ドイツは共和政に移行し、DNVPが結党されることとなりました。党内には、戦争中に制約を受けた旧保守党への支持が集まり、彼らは新たな支持基盤の形成を目指しました。また、党の初期には民族至上主義者も含まれており、過激な反ユダヤ主義が一時期強く打ち出されましたが、社会的な影響を考慮して分派することになりました。この分派が、後にドイツ民族自由党（DVFP）という別の政党を結成することになります。

保守野党路線

DNVPは、ヴァイマル共和政を否定し、リベラル政党に対抗する保守野党の役割を果たしました。1920年には、和平の推進に関与していた財相を「売国奴」として攻撃し、社会主義者に対する厳しい姿勢を保っていました。ヴェルサイユ条約に対する敵対的な見解も特徴的であり、当時の社会状況を背景に、様々な国粋主義団体と連携して選挙戦を戦いました。

政府への接近と参加

1924年の選挙では、党が大きく躍進し、政府への入閣を果たしました。特に、帝政復古主義を掲げる元帥を大統領に選出し、その後も与党として活躍しましたが、外交政策に対する不満から政権を離脱することになります。

フーゲンベルク指導下での保守野党

1928年の選挙でDNVPは大きな打撃を受け、党内での立ち位置を改めて見直す必要に迫られました。新たに党首に就任したアルフレート・フーゲンベルクは、再度の保守野党路線を選択。ナチ党との接近や、共同での反政府闘争を展開しましたが、ヒトラーとの連帯が徐々に強まっていきます。

ヒトラー内閣への参加と解散

1933年、DNVPはナチスおよび鉄兜団との連立でヒトラー内閣に参加することとなりますが、その影響力は次第に減少し、最終的には党としての自主解散を余儀なくされました。この際に多数の党員がナチ党に移籍し、ヒトラーの体制の一環ながらもその影響を受け続けたのです。

選挙結果と党首

1933年の選挙ではDNVPは大きな打撃を受け、「黒白赤」と呼ばれる保守共闘戦線を形成しましたが、最終的にはナチ党が単独で過半数を獲得。党首のフーゲンベルクは、政権内での影響力を失い、散発的な反抗勢力へと変貌することになります。このような背景の中で、DNVPの政党としての役割は終了し、歴史の舞台から姿を消すこととなりました。

結論

ドイツ国家人民党は、ヴァイマル共和政期の保守主義の象徴的な存在であり、その歴史的な役割や影響は、後のナチズムの台頭にも影響を与えました。それぞれの時期における選挙戦や政治的動向は、ドイツが抱える社会的矛盾を浮き彫りにしています。彼らの行動と選択は、政党としての生死を分けることになったのです。

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