ドイツ進歩党

ドイツ進歩党の歴史

ドイツ進歩党（Deutsche Fortschrittspartei、略称DFP）は、1861年にプロイセンで設立された自由主義左派の政党です。この政党は、当初プロイセン衆議院において政府の政策に対抗する勢力として活動を始めました。進歩党はビスマルク首相の軍制改革と無予算統治に対して憲法を重視した抵抗を展開しましたが、1866年には大きな変革を迎えることになります。

創設の背景

1861年2月、プロイセン衆議院におけるドイツ問題に対する不満から、自由主義左派の議員たちは新たな結束を求め、旧派自由主義の主流から離れる決断をしました。この動きが「青年＝リトアニア派」と呼ばれる勢力を形成し、1861年6月に公式に「ドイツ進歩党」として結成されました。

党は選挙を通じて、自由主義を基本にした政策を掲げ、議会内での影響力を拡大していくことになります。選挙後、進歩党は衆議院において第一党となり、議席を109に増やしたことからも、その支持基盤が広がりを見せていたことが分かります。

軍制改革との対立

進歩党は、1862年に軍事費の予算の公開を求める動きを見せます。この要求はビスマルクの軍制改革への直接的な抗議であり、結果としてプロイセン国王ヴィルヘルム1世は衆議院を解散する事態に至ります。再選挙では進歩党が票を伸ばし、その結果ビスマルクは無予算統治を開始することになりました。

この無予算統治は憲法に反するものとされ、進歩党は憲法闘争を展開することになります。進歩党は、「外形的立憲主義」としてのビスマルクの政策に対し激しい批判を繰り返し、衆議院で積極的に対抗していきました。

進歩党の分裂

1866年、普墺戦争に突入すると、党内の意見は分かれ始めます。ビスマルクが進めるドイツ統一政策に対する評価が高まる中、進歩党は選挙で大幅に議席を減らす結果に遭遇します。この流れに伴い、進歩党内ではビスマルク支持派が台頭し、一部が国民自由党を結成することにつながりました。

ドイツ統一の中で

ドイツ統一後、進歩党は依然としてビスマルクに対して批判的な立場を維持しましたが、党内の派閥が複雑化していきます。特に、急進的理念を持つ議員たちと改良主義的現実主義者たちとの間での対立が深刻化し、1884年には進歩党と自由主義連合が合同してドイツ自由思想家党が誕生します。

このように、ドイツ進歩党の歴史は、単なる政党の興亡にとどまらず、自由主義の発展とそれを取り巻く様々な政治的・社会的背景を反映した興味深いものとなっています。政府との葛藤や内部の論争は、ドイツの政治史においても重要な出来事となりました。進歩党の成り立ちとその後の動きは、自由主義の理想と現実との対立を象徴するものとして、今でも語り継がれています。

もう一度検索