ドゥエイン・ホージー

ドゥエイン・ホージー：明るいキャラクターと意外な才能が光る助っ人外野手

1967年生まれ、アメリカ合衆国ペンシルベニア州出身のドゥエイン・ホージーは、元プロ野球選手です。外野手として活躍し、メジャーリーグと日本でプレーしました。日本では主に「デュウェイン・ホージー」の表記で知られていますが、本名はドゥエイン・サミュエル・ホージーです。

メジャーリーグでの経歴

1987年、シカゴ・ホワイトソックスにドラフト13巡目で指名され、プロ入りを果たしました。その後、カンザスシティ・ロイヤルズ傘下チームなどでプレーし、1994年にはAAA級オマハ・ロイヤルズでアメリカン・アソシエーションMVPを獲得するなど、高い打撃能力を武器に活躍しました。

1995年にはボストン・レッドソックスに移籍し、メジャーリーグデビューを果たします。2年間で52試合に出場し、メジャーリーガーとしてのキャリアを積みました。

ヤクルトスワローズ時代：本塁打王への道

1997年、ホージーはヤクルトスワローズに入団します。同期入団したルイス・オルティスとともに、チームの期待を一身に背負いました。しかし、来日当初は粗いスイングや走塁、弱肩など、課題が目立ちました。野村克也監督からは厳しい評価を受け、「ただ明るいだけの選手」と評されることもありました。

それでも、ホージーは野村監督のID野球を理解しようと努力を続けました。ミーティングに参加し、ノートに相手投手の情報や癖を詳細に書き留めるなど、徹底した準備を怠りませんでした。その努力が実を結び、開幕から好調を維持しました。

シーズン終盤、横浜ベイスターズとの優勝争いが激化する中、巨人の松井秀喜選手と本塁打王のタイトルを争う展開となりました。9月中旬の巨人との3連戦では、1試合で本塁打を放つなど存在感を示しました。最終的には松井選手と1本差の38本塁打で本塁打王のタイトルを獲得しました。しかし、シーズン終盤の不振は、翌シーズンの不振を暗示するものでした。

1998年は故障や徹底マークに苦しみ、13本塁打に終わりました。この年限りでヤクルトを退団し、帰国しました。

ヤクルト退団後とコーチとしてのキャリア

1999年以降は、マイナーリーグや独立リーグでプレーを続けました。2010年にはミルウォーキー・ブルワーズ傘下1Aの打撃・守備コーチに就任し、2017年までコーチとして指導にあたりました。

選手としての特徴とエピソード

ホージーは優れた長打力と俊足を兼ね備えていました。1997年には20個の盗塁を記録し、オールスターゲームでは盗塁を決めるなど、その走塁能力は高い評価を受けていました。しかし、来日当初は俊足以外の能力が不足していたため、野村監督は「5000万円で代走要員の外国人を獲ってきてしまった」と嘆いたエピソードも残っています。

また、1997年の日本シリーズでは、バットのグリップエンドに当たった打球がフェアゾーンに転がるという珍しいプレーで話題を呼びました。このプレーは「秘打」と呼ばれるほど、当時注目を集めました。

さらに、ホージーは明るくユニークな性格で知られていました。ヘルメットにプリクラを貼ったり、スパイクに「たろう」と刺繍したりするなど、常にチームのエンターテイナーとして周囲を盛り上げました。この個性的な行動は、プロ野球珍プレー好プレー大賞でも度々取り上げられました。

まとめ

ドゥエイン・ホージーは、類まれな明るさと、時に厳しく評価される中で開花させた才能、そして忘れられない数々のエピソードを残した選手でした。彼の活躍は、多くの野球ファンに感動と記憶を与え続けています。

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