ドクゼリ属

ドクゼリ属について

ドクゼリ属（Cicuta）は、セリ科に属する多年生の草本です。多くの場合、地下茎がしっかりと発達し、そこから多くの根が伸びる特徴を持っています。この草は、特にその直立した茎が際立っており、茎は中空で、頂部で分枝します。一般的に、ドクゼリの葉は柄があり、1〜3回羽状複葉として形成され、小葉のふちは鋸歯状になっています。

植物の構造

ドクゼリ属の花は、複散形花序という形態をとり、この構造の下部には総苞片が存在しません。しかし、花序の下には数個の小総苞片が存在します。また、萼筒の先端には萼歯片があり、花弁は白色の5弁で構成されています。

果実は扁球形をしており、果実の隆起した部分はコルク質で太く、また低い特徴があります。細い油管があり、表面側には各1つずつの背溝があり、分果が接触する部分には2つの油管が存在します。このように、ドクゼリは特有の構造を持った植物であり、非常に興味深いです。

種の分布

世界中には約10種のドクゼリ属の植物が知られており、日本では1種が見られます。日本に生育している種としては、最も代表的なものが「ドクゼリ (Cicuta virosa)」です。その他にも、ヒメドクゼリ（Cicuta virosa f. angustifolia）という変種も存在します。海外では、Cicuta bulbifera、Cicuta douglasii、Cicuta maculataなど、いくつかの異なる種が発見されています。

注意点

ドクゼリは非常に毒性の強い植物であるため、その取り扱いや摂取には十分な注意が必要です。特に、根や葉に含まれる毒成分は、誤って摂取すると命に関わる危険があります。したがって、野外で出会った際には、触れることさえ避けるべきです。

参考文献

• - 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本Ⅱ 離弁花類』（1982年）平凡社
• - 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）

以上の情報から、ドクゼリ属はその独特な生態や危険性から、特に学術的な観点でも重要なグループであることがわかります。そのため、さらなる研究が期待される分野でもあります。

もう一度検索