ドク・ホワイト

ガイ・ハリス・"ドク"・ホワイト（Guy Harris "Doc" White、1879年4月9日 - 1969年2月19日）は、アメリカ合衆国出身のプロ野球選手です。投手として活躍し、そのニックネーム"ドク"は、歯科医師の資格を持っていたことに由来します。

生い立ちとプロ入りまで

ワシントンD.C.で生まれたホワイトは、医師である父親の勧めでジョージタウン大学に進学し、医学を専攻していました。しかし、1898年に大学の野球チームに参加したことがきっかけで、その才能が開花します。たちまちチームのエースとなった彼は、プロのスカウトの目に留まり、1900年にはフィラデルフィア・フィリーズと契約を結びました。この時、彼はまだ大学在学中でした。

1901年にメジャーデビューを果たしたホワイトは、31試合に登板し14勝13敗の成績を記録。シーズンオフには大学に復学し、1902年に歯科医師の学位を取得しました。

シカゴ・ホワイトソックスでの活躍

1903年、ホワイトはシカゴ・ホワイトソックスとフィリーズの間で争奪戦の末、ホワイトソックスへ移籍します。1913年まで在籍したホワイトソックスでは、1904年から1906年の3年間、防御率1点台という驚異的なピッチングを続けました。1906年には防御率1.52でリーグトップに輝き、シカゴ・カブスとのワールドシリーズでは3試合に登板し、15回を自責点3に抑え、チームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。

1907年には27勝を挙げ、最多勝利[[投手]]のタイトルを獲得しましたが、30歳を過ぎた1910年以降は成績が伸び悩み、チームも低迷しました。

野球以外の才能

ホワイトは音楽にも才能があり、シーズンオフにはシカゴの新聞コラムニストだったリング・ラードナーと共同で、「A Little Puff of Smoke Good Night」や「Gee It's A Wonderful Game」などの曲を作曲し、世に出しています。ピアノの腕前も高く、教会では聖歌隊のピアノ伴奏を積極的に行っていました。

1913年までメジャーリーグで活躍した後、2年間パシフィックコーストリーグでプレーし、現役を引退しました。

引退後の人生

引退後、ホワイトはマイナーリーグの監督を務めた後、ワシントンのセントラル・ハイスクールの体育教師や、メリーランド大学の投手コーチなど、長年にわたり後進の育成に尽力しました。1949年に70歳でコーチを退いた後は、バラの栽培に情熱を注ぎ、数々の賞を受賞しました。1957年に股関節を骨折し、寝たきりの生活を余儀なくされますが、80歳の誕生日に行ったインタビューでは、「今の投手は、一人も歩かせないようなピッチングが4イニングと続かない」と、現代の投手のコントロール不足を嘆いたと言われています。

1968年6月3日には、当時ロサンゼルス・ドジャースのドン・ドライスデールがホワイトの記録に並ぶ5試合連続完封勝利を達成した際、ホワイトはドライスデールに祝電を送り、64年ぶりの記録達成を称えました。

1969年、メリーランド州で90歳でその生涯を閉じました。

詳細情報

ホワイトは、最多勝利1回（1907年）と最優秀防御率1回（1906年）のタイトルを獲得しています。

メジャーリーグでの年度別投手成績と打撃成績は以下の通りです。

（成績表は省略）

外部リンク

選手の通算成績と情報 (Baseball-Reference)
Biography (SABR.org)

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