ドコモWebメール

ドコモWebメール：iモード時代の無料Webメールサービス

NTTドコモが提供していた無料のWebメールサービス「ドコモWebメール powered by goo」は、2010年4月14日から2012年8月27日までサービスが提供されていました。iモード契約者向けのサービスとして、パソコンやiモード対応携帯電話から利用可能で、当時多くのユーザーに利用されていました。本稿では、ドコモWebメールの機能、特徴、そしてサービス終了に至るまでの経緯を詳細に解説します。

サービス概要

ドコモWebメールは、FOMA回線とiモードサービスを契約しているユーザーであれば、dwmail.jpドメインのメールアドレスを無料で取得できました。最大2GBのメールボックス容量が提供され、パソコン、iモード携帯電話、専用のiアプリなどからアクセスすることが可能でした。

サービスのプラットフォームは、NTTレゾナントが運営するポータルサイトgooのgooメールが利用されており、そのため、他のプロバイダのメールサービスとの送受信や、iモード端末以外でも絵文字やデコメール絵文字の利用ができました。gooメールとの大きな違いは、iモードメールの自動保存機能です。端末上で削除したiモードメールであっても、ドコモWebメール上では閲覧することができました。

メール着信時の通知設定も細かく設定でき、全メール、アドレス帳登録済みアドレス、通知無しの3つの選択肢が提供されていました。iモード携帯電話からのアクセスでは、初回アクセス時に認証されると、2回目以降は自動ログインが可能でした。iモード契約を解除した後でもサービスは利用できましたが、6ヶ月間ログインが確認されないと、保存データと設定情報はすべて削除されました。

操作インタフェース

iモード携帯電話からはiメニューからログインし、iモードメールへの着信通知を設定していれば、着信通知画面にログイン用のリンクが表示されました。専用のiアプリを使用すれば、受信メールの返信、転送、やり取り履歴の確認、アドレス帳への登録、フォルダへの移動など、様々な操作をメニューボタンから行うことができました。携帯電話に登録されているアドレス帳データは直接利用できませんでしたが、ドコモケータイdatalinkなどを使ってパソコンに取り込み、CSV形式に変換することで、ドコモWebメールに取り込むことが可能でした。

外部サービスとの連携

ドコモWebメールは、gooメール以外にも、Gmail、プロバイダメールなど、POPやIMAPに対応したメールサービスを最大15アカウントまで統合して利用することができました。gooメール、Gmail、Yahoo!メール、Windows Live Hotmailは、簡単な設定でメールアドレスとパスワードを入力するだけで送受信が可能でしたが、その他のメールサービスはサーバー名などの追加設定が必要でした。iモードメールは受信のみ可能で、iモードメールアドレスからの送信はiモード.netが対応していました。

spモードへの移行

iモードからスマートフォン用のspモードに移行した場合でも、ドコモWebメールのアカウント自体は消滅しませんでした。しかし、スマートフォンのブラウザからはサービスを利用できない場合があり、spモードアドレス宛に届いたメールはドコモWebメールに自動バックアップされませんでした。

サービス終了

ドコモWebメールは、2012年3月13日に新規申し込みが終了し、同年8月27日にサービスが終了しました。これは、NTTドコモが経営資源を集中させるための措置でした。サービス終了に伴い、多くのユーザーが他のメールサービスへの移行を余儀なくされました。ドコモWebメールは、iモード全盛期のモバイル環境を象徴するサービスの一つとして、その歴史的意義は大きいです。

まとめ

ドコモWebメールは、当時としては革新的な機能を備えた便利なサービスでしたが、時代の流れとともにサービスを終了することになりました。本稿が、ドコモWebメールについて理解を深める一助となれば幸いです。

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