ドットコムマスターとは？意味をやさしく解説

ドットコムマスターとは

ドットコムマスター（.com Master）は、NTTコミュニケーションズが2001年 5月から実施しているインターネットの利用拡大を目的とした民間資格試験です。現在では、「.com Master ADVANCE（アドバンス）」と「.com Master BASIC（ベーシック）」の2つの認定が行われています。

試験の概要

上位認定である「.com Master ADVANCE」の合格者は、NTTコミュニケーションズのインターネットサービスであるOCNの在宅コールセンター業務に従事できるなど、実際の業務で活用できる知識レベルが認定されます。また、.com Master ADVANCEは、IPv6普及・高度化推進協議会および電気通信端末機器審査協会（JATE）による、ネットワーク技術者に求められるIPv6関連技術の資格試験認定を受けており、合格者は公的にIPv6関連技術を有することを証明できます。

2021年3月末時点で、試験開始からの累計受験者数は約48万人に達しています。

検定区分

2013年9月まで

2013年9月までは、ベーシック、シングルスター（★）、ダブルスター（★★）、トリプルスター（★★★、2012年度に終了）の4つの検定が行われていました。資格名称には取得年度が付与されていました（例：「.com Master ★★ 2005」）。

2013年10月以降

2013年10月からは、アドバンスとベーシックの2つの検定に変更されました。資格名称に取得年度は付与されなくなりました。試験方式も変更され、年2回（7月と12月）に各地の会場で実施されていたマークシート形式のPBT（Paper Based Testing）による定期検定は廃止されました。

現在は、株式会社CBTソリューションズの公認テストセンターで、CBT（Computer Based Testing）方式により、1年を通して随時受験が可能です。受験者は、事前に手続きを行い、指定された試験会場のパソコンを使用して受験します。

ベーシックについては、自宅での受験が可能なIBT（Internet Based Testing）方式にも対応しています。団体受験の場合は、ベーシックとアドバンスの両方でPBT方式とIBT方式が選択可能です。

旧検定と新検定の違い

新検定は、旧検定に比べて試験時間が大幅に短縮され、設問数も減少しました。旧検定では、分野別および総合得点が5段階評価（★～★★★★★）で示されていましたが、新検定では1点（％）単位で評価されるようになりました。また、新検定では、IPv6、クラウド、モバイルなどの最新トレンドを反映した問題が出題されるようになっています。旧検定のトリプルスターに相当する試験は、新検定では廃止されました。

導入事例

ドットコムマスターは、大学や専門学校で基礎的な情報教育の教材として、また企業では新入社員の教育やIT技術者育成のための推奨資格として、幅広く導入されています。

その他

NTTコミュニケーションズの子会社であるNTTコムチェオが在宅コールセンター業務を運営しており、オペレーター採用の応募条件としてドットコムマスターの資格保有が挙げられています。

京都大学とNTTコミュニケーションズによるドットコムマスターを活用した研究が、大学ICT推進協議会(AXIES)で最優秀論文賞を受賞しています。

ドットコムマスター