ドナルド・カリー

ドナルド・カリーについて



ドナルド・カリー（Donald Curry、1961年9月7日生まれ）は、テキサス州フォートワース出身の元プロボクサーであり、ウェルター級とスーパーウェルター級の2つの階級で世界タイトルを獲得した名選手です。彼はIBF、WBA、WBCの世界ウェルター級タイトルを一度に保持した「統一世界王者」であり、2階級制覇王者としてボクシング界にその名を刻んでいます。さらに、彼の兄であるブルース・カリーも元WBC世界スーパーライト級王者という素晴らしい経歴を持ち、家族内でもボクシングの影響が色濃く見られます。

アマチュア時代のキャリア


カリーのアマチュア時代の戦績は、一般的に400勝4敗とされており、その中で彼は4度の敗北を経験しています。負けた相手には兄のブルース、ロニー・シールズ、コスケラ、ホセ・アクイラーが含まれており、特にコスケラとアクイラーとの試合は映像が残っています。カリー自身は、「自分のアマチュア戦績は404試合以上であり、負けたのは確実に4試合だ」と語っています。幼少期の彼は兄のブルースにスパーリングでKOされることもありましたが、これは後に彼の成長にとって貴重な経験となりました。

プロデビューとタイトル獲得


1980年12月26日にプロデビューを果たしたカリーは、同年に初回TKO勝ちで華々しくスタートを切りました。その後、彼は1982年にNABF北米ウェルター級王座を獲得し、続いてWBA・WBCの世界ウェルター級王座にも挑戦します。1983年に行われた王座決定戦では、黄俊錫を相手に15ラウンドの判定勝ちを収め、見事なタイトル獲得を果たしました。

カリーはその後も王座防衛を重ね、1985年12月にはWBC世界ウェルター級王者ミルトン・マクローリーと対戦し、2回KO勝ちを収め、名実ともにウェルター級の最強選手として君臨しました。しかし、1986年にはロイド・ハニガンとの試合でTKO負けし、3つの王座を一瞬で失うという屈辱を味わいます。

スーパーウェルター級への挑戦


その後、カリーはスーパーウェルター級に転向し、1987年には全米スーパーウェルター級王座を獲得。しかし、1988年にWBC世界スーパーウェルター級王者ジャンフランコ・ロッシとの試合で見事に勝利し、2階級制覇を達成しました。彼はこの勝利でダウンを5度奪う圧倒的なパフォーマンスを披露し、再びボクシング界にその名を咲かせました。

キャリアの終焉と引退


その後、カリーは1990年代に入ってからも闘志を燃やすものの、度重なる敗北により王座返り咲きには成功しませんでした。1997年4月にはイギリスのエメット・リントンと対戦し、そこでTKO負けを喫し、プロボクサーとしてのキャリアに終止符を打つこととなります。

獲得したタイトル



ドナルド・カリーは、ボクシング界においてその存在感と実績で多くのファンを魅了し続けた伝説的なボクサーとなりました。彼のキャリアと取り組みは、後進の選手たちにとっての模範ともなっています。

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