ドニー・ブッシュ

オーウェン・ジョセフ・ブッシュ：不屈の精神で野球史に名を刻んだ名遊撃手

オーウェン・ジョセフ・ブッシュ（Owen Joseph "Donie" Bush、1887年10月8日 - 1972年3月28日）は、アメリカ合衆国のプロ野球選手です。主にデトロイト・タイガースで遊撃手として活躍し、タイ・カッブらと共にチームを支えました。

小柄ながらも傑出した守備力

身長170cmにも満たない小柄な体格でしたが、それを感じさせない卓越した守備力がブッシュの最大の魅力でした。特に、遊撃手としての守備範囲の広さと、正確なスローイングは当時の野球界でもトップクラスと評されました。ベーブ・ルースが登場する以前の長打が出にくい時代において、最高の遊撃手の一人としてその名を轟かせました。

通算9回の三重殺は、遊撃手としては最多記録です。また、年間刺殺425は遊撃手史上最多であり、通算守備機会もア・リーグ記録を保持しています。これらの記録が、彼の並外れた守備能力を物語っています。

高い出塁率を誇る打撃

打撃面では、強打者ではありませんでしたが、優れた選球眼と巧みなバットコントロールで高い出塁率を誇りました。5度の年間最多四球を記録していることからもわかるように、四球を多く選び、その結果として打率以上の出塁率を稼ぎました。また、犠打の名手としても知られ、通算犠打数337は歴代5位の記録です。

走塁面では、俊足を生かして年間30盗塁以上を常に狙えるレベルの脚力があり、得点能力も高かったため、1909年から1919年までの11年間で、年間得点数トップ10に10回もランクインしています。

引退後も野球界に貢献

現役引退後は、監督やスカウトとして野球界に貢献し続けました。その活動期間は長く、84歳で病没するまでの67年間、野球関係の仕事に携わりました。インディアナ州では、その野球への情熱と貢献から「ミスター・ベースボール」として知られ、インディアナ州の野球殿堂入りも果たしています。

詳細情報

(※年度別打撃成績、外部リンクは省略)

オーウェン・ジョセフ・ブッシュは、その卓越した守備力と選球眼、そして野球への情熱で、プロ野球史にその名を刻みました。小柄な体格ながらも、大柄な選手に劣らない活躍を見せた彼の姿は、多くの野球ファンに勇気と希望を与えました。ブッシュの不屈の精神は、これからも長く語り継がれるでしょう。

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