ドミトロ・エフヘノヴィチ・デリアティツキー(
ウクライナ語: Дмитро́ Євге́нович Деляти́цький)は、
ウクライナの
軍人であり、現在は海兵隊司令官を務めています。
生い立ちと軍歴
デリアティツキーは、ソ連時代の
ハバロフスクで、
軍人の家庭に生まれました。幼少期を
極東ロシアで過ごした後、
ウクライナに移住。
ウクライナ独立後、
ウクライナ軍に入隊し、オデッサ陸軍士官学校を卒業しました。
クリミア危機とその後
2014年、デリアティツキーはクリミアのフェオドシアに駐屯していた第1独立海軍歩兵大隊長を務めていました。ロシアによる
クリミア半島併合の際、ロシア軍に捕らえられ一時的に拘束されましたが、その後解放されました。
デリアティツキーは、
ウクライナへの忠誠を誓った約2個中隊の隊員を率い、彼らの拠点であった
ウクライナ本土のムィコライウに戻りました。この行動は、彼の強い愛国心とリーダーシップを示すものでした。
2015年から2018年まで、デリアティツキーは第36独立海軍歩兵旅団長を務めました。この旅団は、クリミアを離れた
ウクライナ海軍歩兵、
ウクライナ海軍第36沿岸防衛旅団の元団員、そして第36独立海軍歩兵旅団結成後に加わった志願兵で構成されていました。彼は、この旅団を率いて、
ウクライナの防衛に貢献しました。
海兵隊改革と司令官就任
2018年春、
ウクライナ海軍が海兵隊司令部を設立し、
アメリカ海兵隊に倣った
ウクライナ海軍歩兵の改革を開始すると、デリアティツキーは海兵隊副司令官に就任しました。この改革において、彼は重要な役割を果たしました。
2021年12月6日には
准将に昇進し、その軍事的な功績が認められました。2023年には、オデッサ陸軍士官学校の校長に就任し、次世代の
軍人の育成にも尽力しました。同年8月24日には、
少将に昇進しました。
2024年2月11日、デリアティツキーは、ユーリー・ソドル中将の後任として、
ウクライナ海兵隊司令官に就任しました。この役職は、
ウクライナの海兵隊を率いる上で非常に重要なものであり、彼の軍事的なキャリアにおける新たな章の始まりを意味します。
受章歴
デリアティツキーは、その卓越した軍事的功績と
ウクライナへの貢献により、数々の勲章を受章しています。
ダニーロ・ハリツキー勲章 (2014年8月21日)
1等ボフダン・フメリニツキー勲章 (2022年5月24日)
2等ボフダン・フメリニツキー勲章 (2022年3月26日)
3等ボフダン・フメリニツキー勲章 (2019年5月17日)
これらの勲章は、彼の勇気と献身を象徴しています。
ドミトロ・エフヘノヴィチ・デリアティツキーは、
ウクライナ軍における重要な人物の一人であり、そのリーダーシップと献身は、
ウクライナの防衛にとって不可欠です。