ハバロフスク

ハバロフスク

ハバロフスクはロシア極東部に位置する都市で、ハバロフスク地方の中心都市でもあります。約62万人の人口を抱え、これがロシア極東全体で最も多い数字となっています。この都市は、北緯48度42分、東経135度12分にあり、アムール川の右岸に位置しています。

地理と経済

ハバロフスクは、アムール川とウスリー川の合流点の近くに位置するため、水運が盛んです。また市は、機械工業、金属工業、木材業といった産業が発展しており、その経済の中心的役割を果たしています。標準時はUTC+10のウラジオストク時間を採用しており、モスクワからは8519km離れています。

近隣の中国との境界線も近く、アムール川を挟んでわずか30kmの距離にあります。過去においては、中ソ国境紛争がありましたが、2004年の国境確定によりハバロフスクに対する軍事的なリスクは取り除かれました。シベリア鉄道の重要な拠点であり、地域間のアクセスも良好です。

気候

ハバロフスクの気候は亜寒帯冬季少雨気候に分類され、寒暖差が大きく、冬は乾燥した晴天が続きます。2011年1月には-40.0℃という極端な低温が記録されています。逆に、夏には湿度が高まり、降水量の70%が集中し、高温の日も多く見られます。2010年の最高気温は36.4℃に達しています。

歴史

ハバロフスクは1858年にロシア帝国の監視所として設立され、その後1860年の北京条約で正式にロシア領となりました。町の名前も1895年に現在の「ハバロフスク」に改称されました。1916年にはアムール川を渡る鉄橋が完成しシベリア鉄道が全線開通、流通や旅行において重要な役割を果たします。大正から昭和初期にかけて、日本との交流もありました。1918年には日本軍が一時占領したほか、1945年以降はシベリア抑留が行われ、多くの日本人がこの地で亡くなっています。

交通

市内交通はバス、路面電車、タクシーを利用できますが、市街地にはアムール川を渡る橋がないため、北西郊外にあるハバロフスク橋が重要です。またハバロフスク空港が設けられており、日本への直行便も存在しています。トロリーバスによる輸送サービスも運行されています。

観光

観光スポットには、ハバロフスクの繁華街であるムラヴィヨフ・アムールスキー通りや、アムールスキー大通り、国立極東博物館、極東美術館など多様な文化施設があります。また、アムール川のクルーズも人気アクティビティです。

教育とスポーツ

高等教育機関として太平洋国立大学や極東国立医科大学などがあります。スポーツの面では、プロサッカーチームのFC SKAハバロフスクやアイスホッケーチームのHCアムールが地元の人気を集めています。

日本との関係

日本との歴史的な交流も豊かで、1917年には多くの日本人が居留民としてこの地に住んでいました。近年では貿易や文化交流が盛んであり、日本語教育も行われていますが、外交関係の冷却により、航空路線の減少が見られます。

ハバロフスクは、ロシア極東の文化、歴史、経済、教育が融合する特徴的な都市で、旅行者にとっても多くの魅力を持っています。

もう一度検索