ドミニカ共和国空軍

ドミニカ共和国空軍：歴史と現状

ドミニカ共和国空軍は、カリブ海に位置するドミニカ共和国の空軍組織です。その歴史は1932年、陸軍内に航空隊が設立されたことに始まります。当初は少数機の航空機を保有する規模でしたが、第二次世界大戦中はアメリカ合衆国との協力関係の下、限られたながらも兵器供与を受けました。

1947年、キューバからの亡命者による侵攻の危機に際し、政府はアメリカ合衆国からの戦闘機・爆撃機の購入を模索しましたが、カナダ政府の介入により実現しませんでした。この状況を受け、大統領代理はイギリスから戦闘機を購入するなどの対応を迫られました。同年、米州相互援助条約の締結により、アメリカ合衆国から多数の戦闘機と練習機を受領。これにより、空軍は急速に拡大し、1948年には独立軍種として「ドミニカ軍航空軍団」に改称されました。その後、名称変更を繰り返した後、1962年に現在の「ドミニカ共和国空軍」に落ち着きました。

1950年代には、スウェーデンからの戦闘機購入を計画しましたが、アメリカ合衆国により阻止されました。1956年には240機もの航空機を保有するまでに至りましたが、老朽化が進み、1960年代以降は予算削減の影響で、機材の更新や増加は限定的となりました。1965年の内戦においても、空軍の活動は制限されていました。

1980年代初頭には、サンイシドロ空軍基地を中心に5個飛行隊、約80機の航空機を運用していましたが、戦闘機を保有しない状態が長く続きました。2008年にはブラジルから攻撃機を購入し、対地攻撃能力の強化を図りました。

組織

ドミニカ共和国空軍は、空軍参謀総長を頂点とした組織体系を有しています。2009年時点の総員は約5,500名。総司令部、参謀本部、複数の部、そして様々な部隊や機関から構成されます。主な部隊としては、戦闘飛行隊、救難飛行隊、航空輸送飛行隊、捜索救難飛行隊などがあり、これらは航空群、北部航空群などの隷下に編制されています。他に、航空整備群、支援任務群、特殊作戦群、基地警備群などの部隊、空軍病院、空軍士官学校、高等研究機関、国営航空作業場なども存在します。

基地

主要な基地としては、サンイシドロ空軍基地とプエルトプラタ空軍基地があります。

装備

ドミニカ共和国空軍の装備は、多様な固定翼機と回転翼機で構成されています。固定翼機は、CASA C-212、パイパーPA-31、T-35B、エンブラエルAT-29など。回転翼機は、AS365、ベル206、ベル430、シュド・エストSE.3130、シュワイザー333、OH-6など多様な機種が配備されています。

階級

空軍独自の階級制度が存在しますが、詳細は割愛します。（資料不足のため）

まとめ

ドミニカ共和国空軍は、その歴史において幾多の困難を経験しながらも、現在に至るまで発展を遂げてきました。限られた資源の中で、国家防衛の任務を担う重要な役割を担っています。今後の発展に注目です。

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