ドミニコとは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

聖ドミニコの生涯

聖ドミニコ（1170年 - 1221年）は、ドミニコ会の創設者であり、カトリック教会の修道士、聖人として知られています。スペイン語ではドミンゴ・デ・グスマン・ガルセスと呼ばれ、その生涯は信仰と献身に満ちていました。

生い立ちと教育

1170年、ドミニコは旧カスティーリャ地方の貧しい農村カレルエーガで生まれました。父はフェリックス・デ・グスマン、母はフアナ・デ・アサ（フアナ・ガルセス）で、洗礼名はドミンゴと名付けられました。彼の誕生に際して、母フアナが「犬が松明をくわえて全世界に火を放つ」という夢を見たという逸話があり、この夢はドミニコ会が「主の犬」（Domini canes）と呼ばれる所以となりました。

6歳から母方の叔父が司祭を務める教会で学び始め、14歳から28歳まではパレンシアで人文科学、哲学、そして神学を学びました。しかし、貧しい人々が飢え渇いている状況を目の当たりにしたドミニコは、自身の持ち物や聖書をすべて施し、物質的な豊かさよりも精神的な豊かさを重視するようになりました。

カタリ派への伝道

アナトリアへの伝道を希望していたドミニコは、カタリ派が広まるラングドック地方へ送られました。そこでカトリックの伝道には異端と同じ熱意が必要であると悟り、清貧の生活を始めました。異端者を回心させるために祈っていたところ、聖母マリアからロザリオを授かったという逸話もあり、ドミニコ会はロザリオの普及に貢献したとされています。

ドミニコ会の設立

ドミニコは南フランスやスペインを旅しながら説教を行い、多くの人々を回心させました。彼の説教に共感する人々が集まり、1216年にはドミニコ会（説教者兄弟会）を結成しました。同年、教皇ホノリウス3世によって正式に認可され、ドミニコ会はカトリック教会における重要な修道会の一つとなりました。

天国での夢と聖母の保護

ある日、ドミニコは夢で天国を訪問しましたが、ドミニコ会の会員たちが誰もいないことに嘆き悲しみました。すると聖母マリアが現れ、ドミニコ会の会員たちは自分のマントの中にいると告げました。これは、聖母の保護の下にあるドミニコ会を象徴する出来事として語り継がれています。

死と列聖

ドミニコは3度にわたり司教への就任を勧められましたが、すべて辞退し、1221年に司祭のままこの世を去りました。彼の生涯は、真理を追求し、真理に基づく説教を実践したものであり、その生活は清貧を極めたものでした。ドミニコの死後、1234年に聖人に列せられました。彼の生涯は、今もなお多くの人々に感銘を与え、信仰の模範とされています。

ドミニコ