ドミー・シー

ドミー・シー（Domee Shi、石之予）は、1989年9月8日、中国重慶市生まれのカナダ人映画監督です。2歳の時に家族と共にカナダに移住し、美術学部の教授である父親の影響を受け、幼少期からスタジオジブリやディズニー作品に親しんできました。

カナダのシェリダンカレッジでアニメーションを学び、卒業後の2011年、ピクサーでストーリーボードアーティストとしてインターンシップを開始します。食べ物を題材にしたウェブコミック『My Food Fantasies』を制作する中で、食べ物を中心とした物語への関心を深めていきました。

ピクサー入社後は、『インサイド・ヘッド』（2015）でストーリーボードアーティストとして参加。その後、『アーロと少年』にも携わった後、『トイ・ストーリー4』の制作にも参加しています。さらに、『インクレディブル・ファミリー』（2018）でもストーリーボードを担当し、ジャック＝ジャックとエドナ・モードを中心としたシーン制作に貢献しました。

シーのキャリアにおける大きな転換期となったのは、2015年から制作を開始した短編アニメーション映画『Bao（包）』です。本作は、ピクサーで短編映画を制作した初の女性監督作品であり、2018年のトライベッカ映画祭で初公開されました。

『Bao』は、高い評価を受け、アカデミー短編アニメ賞を受賞。ピクサー映画監督として初の女性、そして初の有色人種の女性監督による受賞という快挙を達成しました。さらに、第43回アニー賞、国際オンライン映画賞、トライベッカ映画祭にもノミネートされるなど、数々の賞に輝きました。『ホーホケキョ となりの山田くん』や『千と千尋の神隠し』といった作品から影響を受けたことも明かしています。

2022年3月11日には、監督デビューとなる長編映画『私ときどきレッサーパンダ』がDisney+で独占配信されました。

シーの作品には、彼女を取り巻く文化、特に食文化からのインスピレーションが色濃く反映されています。『ボクのスーパーチーム』や『リメンバー・ミー』といった作品に触れたことで、観客が異なる背景や文化を持つ物語を理解できるようになったと確信し、映画の独自性を生み出すためには様々な文化や情報源を活用することが重要だと考えています。彼女の作品は、世界中の人々の心を掴み、多様な文化への理解を促進する力を持っています。今後、どのような作品を生み出すのか、世界中が注目しています。

彼女のキャリアは、アニメーション業界における女性の地位向上に大きく貢献しており、未来のクリエイターたちにとって大きな刺激と希望を与え続けています。多様な文化や背景を持つ人々にインスピレーションを与え続ける彼女の今後の活躍に期待が高まります。

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