ドム・ラ・ネナ

ドム・ラ・ネナ (Dominique Pinto)

ドム・ラ・ネナ（Dom La Nena）の名で知られるドミニケ・ピント（Dominique Pinto、1989年生まれ）は、ブラジル出身の才能あふれるシンガーソングライター、チェリスト、音楽プロデューサーです。彼女の音楽は、ブラジル、パリ、アルゼンチンなど、多様な文化圏の影響を受け、室内楽や南米の民族音楽の要素も取り入れた、独自のワールドミュージックとして評価されています。母国語であるポルトガル語に加え、スペイン語、英語、フランス語でも歌い、国際的な音楽活動を展開しています。

来歴

ドミニケ・ピントは、ブラジルの港町ポルト・アレグレで生まれました。幼少期はブラジルとパリを行き来し、4歳からピアノ、6歳頃からチェロを始めました。10歳の時、チェリストになることを決意しますが、家族の帰国後、ブラジルで本格的にチェロを学べる場所が見つからず、13歳で単身アルゼンチンへ渡り、著名なチェリスト、クリスティン・ワレフスカに師事します。

アルゼンチンでの修行時代、彼女は年上の門下生たちから「ラ・ネナ」（少女）という愛称で呼ばれるようになり、これが後のステージ名「ドム・ラ・ネナ」の由来となりました。彼女は当時を振り返り、「13歳で家族との時間や様々な事を犠牲にしてアルゼンチンへ行ったけれど、後悔は全くない。それほどチェロに恋焦がれていた」と語っています。

再びパリへ移り住んだ後、ドミニケ・ピントは本名で、ジェーン・バーキンのコンサートツアーでチェロを担当するなど、チェリストとしてのキャリアを積みました。その他、カミーユ、エティエンヌ・ダオーといったフランスの歌手や、ヨーロッパ各地のバンド、ミュージシャンの公演にも参加しています。

2013年1月、ドム・ラ・ネナとしてデビューアルバム『ELA』を発表。NPRの音楽番組Alt.Latinoなどで紹介され、その音楽性と経歴が注目を集めました。2015年にはアルバム『SOYO』をリリース。『ELA』が多様なサウンド要素を持つ作品だったのに対し、『SOYO』はよりシンプルで、彼女のヴォーカルと歌詞が際立つ作品として評価されました。

音楽性

ドム・ラ・ネナは自身の音楽について、子供時代のノスタルジアや経験からインスパイアされた、無垢な子守唄のような雰囲気があると語っています。彼女の音楽は、個人的な感情や記憶を繊細に表現し、聴く人の心に深く響きます。

ディスコグラフィー

シングル、EP
GOLONDRINA (2013)
ELA POR ELES - REMIXES (2014)
フルアルバム
ELA (2013)
BIRDS ON A WIRE (2014) - Rosemary Standleyとの共作
* SOYO (2015)

私生活

2014年時点で既婚者であることが公表されています。

ドム・ラ・ネナは、その才能と努力で、音楽の世界で独自の地位を築き上げてきました。彼女の今後の活躍から目が離せません。

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