ドラえもん・ヨーロッパ鉄道の旅

『藤子不二雄スペシャル ドラえもん・ヨーロッパ鉄道の旅』

概要

『藤子不二雄スペシャル ドラえもん・ヨーロッパ鉄道の旅』は、1983年10月18日にテレビ朝日で放送された特別番組で、アニメと実写を融合させた形式で描かれています。この番組は、テレビ朝日が開局25周年を記念して制作されたもので、ドラえもんのアニメシリーズの第2作第1期の一環として放送されました。

番組の中では、藤子不二雄の2人（藤本弘と安孫子素雄）が実写で登場し、ヨーロッパの様々な鉄道を取材する旅に出ます。その旅路では、アニメのキャラクターであるドラえもんとのび太が、作者たちに気づかれないように彼らを追いかけ、一緒に旅をするというユニークな内容となっています。特に「なんでもナレーター」というひみつ道具が登場し、鉄道や訪れる街に関する詳細な解説を担当しました。このナレーターの声を担当したのは野沢雅子氏です。

この特番では、オレンジの車体のTGVや、今は存在しないTEEと呼ばれる貴重な鉄道映像が多く盛り込まれています。また、実写とアニメの合成は「ドラビジョン」と呼ばれる技術を使用し、当時としては珍しいCG技術が導入されたアニメーション部分も特徴です。

放送当時、番組が実写とアニメの合成番組では日本初と宣伝されましたが、実際にはそれ以前にも数例存在していました。なお、番組の最後では、ドラえもんたちのカレンダーやお年玉袋などの募集が行われました。1983年の本放送後には1985年に再放送されましたが、メディア販売は行われていません。

放送時間

この特別番組は、火曜日の19時から20時51分（JST）まで放送され、別の番組は休止されました。これにより、特番としての重要性がさらに強調されました。

あらすじ

物語は、スネ夫の家に遊びに行ったのび太が、スネ夫からフランス最新の高速列車TGVの鉄道模型を自慢されるところから始まります。のび太は悔しさに駆られ、ドラえもんに模型を出してもらうように頼みますが、ドラえもんは彼の気持ちを理解せず、応じません。そこでのび太は、藤子スタジオに電話をかけ、藤子不二雄にヨーロッパの鉄道模型を買ってもらえる話を作ってほしいとお願いするのです。

藤本は困惑し、安孫子は「作者が登場人物を甘やかしてどうするんだい」と突っぱねます。その後、のび太は自分で模型を作るものの、ジャイアンに邪魔されて壊れてしまいます。ドラえもんは、その努力を見て協力し、「オールメーカー」と「千里眼」を使って藤子不二雄のカメラに付けて、ヨーロッパ旅行をサポートすることにしました。

のび太は再度藤子スタジオに電話をかけますが、藤子は出かけており、行き先を聞き出して「どこでもドア」でヨーク鉄道博物館へと向かいます。ドラえもんが旅先を解説しながら進む中、二人は様々な場所で藤子たちとすれ違いながら追いかけます。

ヨークからはアムステルダム、さらにはパリへと展開される旅の途中で、藤子と遭遇したり、市場で大きな野菜を見て驚いたり、さらには美術館やエッフェル塔を巡る場面も描かれています。最終的にはのび太がビビちゃんに一目惚れし、再びドラえもんが機転を利かせ、様々なトラブルを解決しながら物語は進行します。

最後は、旅の締めくくりとして、ローザンヌ駅からオリエント急行に乗るビビちゃんを藤子が見送った後、のび太もそっと手を振り、旅を終えます。のび太とドラえもんは、家に帰り「オールメーカー」に全ての写真を放り込むが、出来上がったプラモデルはまったく異なる姿になってしまいました。そんな彼らの冒険は、視聴者に深い印象を残しました。

終わりに

この特別番組は、視聴者にとって記憶に残る冒険を提供しており、藤子不二雄のファンにとっても大切な作品の一つとして位置づけられています。

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