ドライブレター

ドライブレターとは

ドライブレターとは、主にMS-DOSやWindowsなどのオペレーティングシステムにおいて、ストレージデバイスやパーティションを識別するために用いられる文字列のことです。これにより、ユーザーは各ドライブを簡単に認識し、アクセスすることが可能になります。具体的には、AおよびBのドライブレターはフロッピーディスクドライブに指定されており、その他のドライブはCからZの範囲で内部ハードディスク、光学ドライブ、外付けドライブに割り当てられます。

ドライブレターの割り当て

PC/AT互換機版のMS-DOSおよびWindowsでは、ドライブの識別は主にアルファベットの順序に従って行われます。たとえば、Cドライブは通常、コンピュータの内部ハードディスク第1パーティションを指し、その後、D、E、F、...と続きます。PC-98版のMS-DOSでは、このルールは適用されず、初めにアクセスが行われたデバイスに対して順次割り当てられます。ちなみに、Zドライブ以降のドライブレターは公式には存在せず、ドライブの管理はシステムのコントロールパネルなどで変更することが可能です。

ドライブレターの歴史

ドライブレターのシステムは、1970年代にデジタルリサーチ社のCP/Mで初めて導入されました。このOSは当時非常に高いシェアを持っており、他のシステムに影響を与えました。後に、シアトル・コンピュータ・プロダクツが86-DOSを開発し、その後IBMとマイクロソフトがMS-DOSを開発する際にドライブレターの設計が受け継がれました。このことで、ドライブレターはMS-DOSの代表的な特徴となりました。

1987年には、マイクロソフトとIBMによって次世代OS「OS/2」が開発されましたが、これにおいてもストレージ装置の管理にはドライブレターが用いられました。Windowsは最初はMS-DOS上で動作するGUIシェルとして開発されたため、ドライブレターの概念が引き継がれました。その後、Windows NT系もOS/2のカーネルを基に開発され、ドライブレターが継続して使用されることとなりました。

ドライブレターの欠如

一方で、Unix系のOS（macOSやLinux）、Classic Mac OS、TRON OSなどの他のオペレーティングシステムでは、ドライブレターの概念は採用されていません。これらのOSではファイルシステムの管理方式が異なり、ユーザーインターフェースやナビゲーションの方法は独自のものとなっています。

まとめ

ドライブレターは、コンピュータにおけるストレージデバイスの識別において重要な役割を果たしています。その歴史は、古いOSの影響を受けながら進化し、現在の主要なオペレーティングシステムにおいても引き続き使われています。これにより、多くのユーザーが効率的にストレージを管理し、作業を進めることができるのです。

もう一度検索