ドライ・ポート

ドライ・ポート：内陸における複合一貫輸送の要

ドライ・ポートとは、内陸部に設置された複合一貫輸送のための積み替えターミナルのことです。一般的に、道路や鉄道といった陸上輸送と港湾を結びつけ、船舶で輸送された貨物を内陸の目的地まで効率的に運ぶための拠点として機能します。陸上港、またはインランド・デポとも呼ばれます。

ドライ・ポートの機能

ドライ・ポートは単なる積み替え地点ではありません。以下のような多様な機能を有しています。

積み替え: 異なる輸送手段（船舶、鉄道、トラックなど）間で貨物を積み替えます。
貯蔵: 貨物を一時的に保管するための貯蔵施設を提供します。
混載: 複数の荷主からの貨物をまとめて輸送することで、輸送効率を高めます。
整備: トラックや貨車などの輸送機器の整備を行います。
通関: 内陸で通関手続きを行うことで、港湾の混雑を緩和します。

これらの機能により、ドライ・ポートは貨物の流れを円滑化し、輸送コストの削減、リードタイムの短縮に貢献します。

ドライ・ポートのメリット

ドライ・ポートの導入は、様々なメリットをもたらします。

港湾の混雑緩和: 内陸で通関手続きや保管を行うことで、港湾の混雑を緩和し、効率的な港湾運営を支援します。
輸送コストの削減: 複数の輸送手段を組み合わせることで、最適な輸送ルートを選択し、輸送コストを削減します。
リードタイムの短縮: 貨物の積み替えや通関手続きを迅速化することで、リードタイムを短縮し、サプライチェーン全体の効率を高めます。
地域経済の活性化: 内陸部に新たな物流拠点を作り出すことで、雇用を創出し、地域経済の活性化に貢献します。

世界各地のドライ・ポート事例

現在、世界各地で様々なドライ・ポートが建設・運営されています。以下にいくつかの例を挙げます。

東南アジア

チカラン・ドライポート（インドネシア 西ジャワ州）
ワル・ドライポート（インドネシア 東ジャワ州）
テングレイ・ドライポート（カンボジア プノンペン）
タナレーン・ドライポート（ラオス ヴィエンチャン）

北米

カナダ中央港（カナダ マニトバ州ウィニペグ）
全世界輸送ハブ（カナダ サスカチュワン州レジャイナ）
アルバータ港（カナダ エドモントン首都圏）
アシュクロフト・ターミナル（カナダ ブリティッシュコロンビア州アシュクロフト）
メンフィス港（アメリカ合衆国テネシー州メンフィス）

これらのドライ・ポートは、それぞれの地域の特性やニーズに合わせて、様々な機能やサービスを提供しています。

まとめ

ドライ・ポートは、グローバル化が進む現代において、効率的な物流を実現するための重要なインフラです。港湾と内陸を結びつけ、貨物の流れを円滑化することで、地域経済の発展に大きく貢献することが期待されます。

関連事項

* インターモーダル輸送

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