ドラグノフ狙撃銃

ドラグノフ狙撃銃（SVD）について

ドラグノフ狙撃銃（SVD）は、ソビエト連邦において1958年から1963年の間に開発されたセミオート狙撃銃であり、その独自の設計と運用性能から多くの国に採用されています。正式には「Снайперская винтовка Драгунова」という名称で知られています。

開発の背景

狙撃手の効果的な運用方法が求められたのは、第一次世界大戦や第二次世界大戦を通じての経験からでした。これにより、第二次世界大戦ではモシン・ナガンM1891/30|モシン・ナガンM1891_30の運用が有効性を示し、小隊規模での選抜射手の配備が急務とされました。この状況を受けて、選抜射手専用のセミオート狙撃銃の開発が計画され、設計コンテストが行われました。

最終的に、エフゲニー・F・ドラグノフによる試作品が選ばれ、1963年にSVDが制式採用されることになりました。

主要な設計特徴

ドラグノフ狙撃銃は、細身で軽量設計が特徴であり、特に運搬性を考慮したスケルトンストック型の銃床が採用されています。さらに、様々な照準器を取り付けるためのドブテイルマウントを備えており、操作性も向上しています。基本的な作動機構はガス圧を利用したもので、部品数が少なく耐久性に優れているため、長期的な使用に適しています。

また、SVDは最大1,200メートルの距離で精度よく命中させるための金属製照準器も搭載しており、光学照準器の破損時でも使用可能な点が挙げられます。特に、PSO-1スコープを取り付けることができ、狙撃手にとって非常に実用的な選択肢となっています。

運用と派生モデル

1964年からイズマッシュ社により生産が開始されたSVDは、ワルシャワ条約機構加盟国や親ソ連国に広く供給されました。特に空挺部隊向けには銃床を折りたたみ可能にしたSVDSというモデルが開発されており、さまざまな用途に応じた派生型が存在します。

新型狙撃銃の開発も進められており、長距離精密射撃のためのボルトアクション方式のSV-98など、SVDとの使い分けがなされています。

日本での状況

日本においては、SVDの民生向けモデルが猟銃として取得可能で、狩猟目的に利用されていますが、所持許可を得るためには一定の条件を満たす必要があります。他の軍用狙撃銃同様に、法規制の影響を受けながらも一部のモデルは所持許可が与えられています。

結語

SVDは、その特異な構造と運用により、世界中で広く使用されている狙撃銃です。今後もそのデザインが進化し続け、近代戦での重要な武器としての地位を保ち続けることが期待されています。

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