ドラゴンクエストシリーズの楽曲一覧

ドラゴンクエストシリーズ楽曲：壮大な音楽の軌跡

スクウェア・エニックス（旧エニックス）のロールプレイングゲーム（RPG）シリーズ、『ドラゴンクエスト』。その魅力を語る上で欠かせないのが、すぎやまこういち氏によって作曲された数々の楽曲たちです。本稿では、シリーズを通して使用されている音楽、その歴史、そして社会的な影響までを詳細に解説します。

すぎやまこういち氏とオーケストラアレンジ

シリーズ全作品において作曲を担当したすぎやまこういち氏は、ゲーム発売後に楽曲をオーケストラへ編曲。自身による指揮のもと、演奏・録音を行い、『交響組曲「ドラゴンクエスト」』などの音楽CDに収録しました。初期作品ではゲーム音源と交響組曲がセットでリリースされることが多かった一方、近年の作品では個別に発売されるようになっています。

ゲーム内BGMの音源は、使用ハードによって異なります。PlayStation 2版『V』以降の一部の作品では、NHK交響楽団や東京都交響楽団などの演奏による交響組曲の音源を基に制作されており、高いクオリティを誇ります。一方、ニンテンドーDS版など一部の機種では、ハードの内蔵音源によるサウンドが採用されました。スマートフォン版や、派生作品である『シアトリズム ドラゴンクエスト』などでは、オーケストラ版のアレンジを基にしたシンセサイザー音源が使用されています。近年は、『ドラゴンクエストヒーローズII』以降、シリーズ共通の音源が使用されるようになり、作品間の統一感が向上しています。

代表曲「序曲」の社会的な成功

シリーズの象徴と言えるのが「序曲」です。各ゲームのタイトル画面で流れるこの曲は、イントロ部分やアレンジは作品によって異なりますが、メインメロディーはシリーズを通して共通しており、高い認知度を誇ります。この「序曲」は、日本音楽著作権協会（JASRAC）の著作権使用料分配額ランキングで上位を獲得するなど、社会現象的な人気を博しました。2017年にはJASRAC賞銅賞を受賞、2018年と2020年には銀賞を受賞するなど、その音楽的価値も高く評価されています。

さらに2021年東京オリンピック開会式では、「序曲：ロトのテーマ」として選手入場曲に採用され、世界的な舞台でその名を知らしめました。この楽曲は、すぎやまこういち氏の没後も、多くの人々に愛され続けています。2021年12月に行われたお別れの会では、東京都交響楽団が「序曲XI」と「過ぎ去りし時を求めて」を献奏し、彼の功績を偲びました。

多彩な楽曲群とゲーム内での役割

「序曲」以外にも、『ドラゴンクエスト』シリーズには、フィールド、ダンジョン、戦闘、イベントなど、様々な場面に合わせた多様な楽曲が用意されています。例えば、フィールドBGMは作品や場所によって複数のバージョンが存在し、冒険の雰囲気を盛り上げます。戦闘BGMは、通常戦闘、中ボス戦、ラストボス戦など、状況に応じて変化します。また、全滅時のレクイエムなど、ゲームの緊迫感を高める効果音のような短い音楽（ME）も重要な役割を果たしています。

アニメ作品との関わり

『ドラゴンクエスト』シリーズを原作とするアニメ作品にも、ゲーム音楽のアレンジ版が数多く使用されています。『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』や『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』（1991年版）では、すぎやまこういち氏作曲のゲーム楽曲がアレンジされ、作品の世界観を彩っています。特に『ダイの大冒険』では、ゲーム楽曲のアレンジが中心となっており、多くのバリエーションが使用されています。

音楽CDの発売と変遷

シリーズの楽曲は、数多くのCDとしてリリースされています。発売元は、アポロン音楽工業、ソニーレコード、SPEビジュアルワークス（後のアニプレックス）、SUGIレーベル、キングレコードと変遷を遂げてきました。これらのCDには、オーケストラ版、ゲーム音源版、様々なアレンジバージョンなどが収録されており、ファンにとって貴重な資料となっています。

他のメディアでの活用

『ドラゴンクエスト』シリーズの楽曲は、ゲームやアニメ以外にも、多くのメディアで使用されています。テレビ番組、CM、コンサートなど、多様な場面で活用され、その人気と社会的な影響力の大きさを示しています。

まとめ

すぎやまこういち氏によって生み出された『ドラゴンクエスト』シリーズの楽曲群は、単なるゲーム音楽の枠を超え、日本の文化、ひいては世界のゲーム音楽史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。その壮大で美しい旋律は、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

もう一度検索