ドラゴンクエストVR

ドラゴンクエストVR：没入感あふれるVR冒険

『ドラゴンクエストVR』は、バンダイナムコアミューズメントが開発し、堀井雄二氏をはじめとする『ドラゴンクエスト』シリーズの開発スタッフが監修に携わった、フィールド型VRアクティビティです。2018年4月27日にVR ZONE SHINJUKUでオープンし、その後、VR ZONE OSAKA、MAZARIAでも展開されました。

ゲーム内容

プレイヤーは4人1組の冒険者となり、20m×12mの広大なアリーナを自由に歩き回りながら、最終ボスである大魔王ゾーマを倒すことを目指します。HTC Viveを用いたVRシステムにより、プレイヤーはまるでゲームの世界に飛び込んだかのような没入感を体験できます。背部にはバックパック型のコンピュータを装着し、職業に合わせた専用デバイス（剣と盾、杖とバンドなど）に加え、マイクとヘッドホンを装備して、仲間との連携を密に行います。

ゲーム開始前には、ブリーフィングエリアでルール説明や注意事項の説明を受け、エントリーシートにプレイヤーの情報（名前、身長、性別、言語、利き手）を記入します。この情報はゲーム内に反映され、身長によっては敵の攻撃が当たらない場合もあります。ただし、性別の設定はゲーム進行に影響しません。

ゲームは「草原」「山麓」「ゾーマ城」の3つのエリアに分かれており、プレイヤーは順にエリアを移動しながらゲームを進めていきます。

戦闘では、1回のダメージで画面が白黒になり、2回目は行動不能となります。行動不能となったプレイヤーは、仲間の画面上に光の柱として表示されます。エンディングはパーティーメンバーの構成や役割、そしてゲームクリアの成否によって変化します。

職業と役割

プレイヤーは、戦士、魔法使い、僧侶の3つの職業から1つを選択できます。

戦士: パーティーを守る盾役と、敵への直接攻撃を行うアタッカーの役割を担います。剣と盾を装備し、剣を振るって攻撃、盾で防御を行います。パーティーには2人の戦士が参加できます。
魔法使い: 攻撃呪文と、味方の攻撃力を上げる補助呪文を使います。杖とバンドを装備し、バンドを掲げて魔法陣を選択、杖を振ることで呪文を発動します。呪文は「ヒャド」「メラ」「バイキルト」で、杖を振る時間によって「マヒャド」「メラゾーマ」といった上位呪文も発動可能です。「バイキルト」は戦士の攻撃力を上昇させ、剣を大きく表示します。
* 僧侶: 味方の回復と蘇生、そして呪文攻撃を行います。魔法使いと同様に杖とバンドを装備し、呪文を発動します。呪文は「ザオリク」「ホイミ」「バギ」で、杖を振る時間によって「バギクロス」といった上位呪文も発動可能です。「ホイミ」は杖先端の光をもう片方の手で触れることで自身に回復魔法をかけることができます。

開発秘話

『ドラゴンクエスト』シリーズのチーフプロデューサーである市村龍太郎氏のVR技術への関心と、バンダイナムコエンターテインメント小山順一郎氏のアーケードゲーム業界復興への想いが合致し、このプロジェクトはスタートしました。スクウェア・エニックスの協力のもと、堀井雄二氏と市村氏らがシナリオを執筆、スクエニがストーリーや世界観、演出の監修を行い、バンダイナムコの「Project i can」チームがVR体験の開発を担当しました。『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』をモチーフに、4人パーティー制を採用し、前衛の戦士、後衛の魔法使いと僧侶という役割分担を設けました。

開発においては、没入感を損なわないよう、チュートリアルを極力減らし、『ドラゴンクエスト』シリーズの高い知名度を生かしました。また、ナビゲーターとしてホイミスライムのホミリー（声：Lynn|lynn）を導入しています。ルーラ演出の実装や、剣デバイスの軽量化など、開発には様々な工夫が凝らされています。

反響と評価

『ドラゴンクエストVR』は発表以来大きな反響を呼び、多くのメディアから高い評価を得ています。没入感の高さと、戦略性のある戦闘システムが特に高く評価されています。女性客の利用率も高く、ファミリー層にも人気がありました。

まとめ

『ドラゴンクエストVR』は、既存のVRアトラクションとは一線を画す、高い没入感と戦略性を兼ね備えた作品です。短いプレイ時間ながら、濃密な『ドラゴンクエスト』の世界観を体験できる、魅力的なVRアクティビティと言えるでしょう。

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