ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦

『ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦』

『ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦』は、1990年7月7日に公開された『ドラゴンボール』シリーズの第6作目にあたります。本作は、監督の西尾大介によるもので、キャッチコピーには「行くぞ! Z戦士――――――オラたちの元気 見せてやる!!」や「来い、サイヤ人!! 地球はオラたちの元気でまもってみせる!!」が掲げられ、多くのファンから支持を受けました。

映画は夏休みには東映アニメフェアの一環として上映され、他の短編アニメ作品と共に観客を魅了しました。サブタイトルには人気テレビ番組をもじった要素があり、神精樹の存在は朝鮮人参がモチーフになっています。この設定を思いついたのはプロデューサーの森下孝三で、朝鮮人参が育つ様子から着想を得たようです。

本作の特徴は、オープニングがほかのアニメとは異なる演出で構成されていることで、さらに神龍がギャグ調に描かれるなど、これまでの作品とは一風変わった印象を与えています。また、元気玉が戦闘中に2度使用される点も特異です。

ストーリーは、宇宙の悪党ターレスが地球に神精樹を植え付けるところから始まります。神精樹が成長することで、地球上で次々と異常気象が発生し、Z戦士たちはその状況を北の界王から告げられ、ターレスと戦って地球を救うために立ち上がります。宇宙の支配を目指すターレスの前に立ちはだかるZ戦士たちの活躍が描かれています。

特に注目すべきは、ターレスの設定で、彼は悟空とほぼ同じ容姿を持っています。ターレスを演じるのも悟空役の野沢雅子で、1人3役をこなすその姿は共演者たちからも称賛されています。脚本を手掛けた小山高生は、野沢がターレスとの会話で戸惑うことを意図して会話シーンを多く設定したようですが、彼は見事に演じ切り、その実力が伺えます。

映画の中では「サイヤ人は顔の種類が少ない」という裏設定が語られ、同じ顔のキャラクターが登場する意義を強調しています。この設定を考慮して、ターレスや後に登場するバーダックが作られたのです。

本作ではサイヤ人の間での同族意識や仲間意識が描かれ、ターレスが悟空たちと出会った時には仲間になることを持ちかける場面もありますが、彼の邪悪な性格がそれを阻む結果となります。また、ターレスの忠誠心は薄く、彼の手下たちとともに、宇宙征服の夢を果たそうとしています。

映画が公開された後、チチ役の荘真由美が降板し、以降の作品では渡辺菜生子が新たにその役を引き継ぐことになりました。本作は多くのキャラクターとともに、ファンにとって忘れられない名作となっています。

最後に、主題歌はオープニングが「CHA-LA HEAD-CHA-LA」、エンディングには「まるごと」が使われ、どちらも影山ヒロノブによって歌われています。今后もこの作品は『ドラゴンボール』の歴史において特別な位置を占めることでしょう。

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